マネジメント は監視ではない
目次
マネジメント を管理と監視だと思うと間違う。
マネジメント というととかく「管理」というように捉えられがちです。
マネージャーといえば、日本語のイメージは「管理職」ですし、いかにも課長、部長は部下を管理するのが仕事というように捉えられるのは仕方がないのかもしれません。
もっと言えば、部下を管理する=監視することのように考えられているケースもあるように思います。
例えば、部下の行動履歴を提出させたり、ひどい場合にはGPSで動きを管理したりしているケースもあります。
もちろん、行動履歴を提出させることやGPSで位置を把握することそのものが悪いわけではありません。
そうではなくて、その施策が「当社としては、スタッフを信用していませんよ」「あなた達は、監視していなければサボるというように認識しています」と言うようなメッセージとしてスタッフに伝わっていることが問題なのです。
そんなメッセージを聞かされたとしたら、あなたがスタッフの立場なら、そんな会社でモチベーション高く働くでしょうか?
もともと、やる気に満ちて働いていたとしても、「信用されていない」という一点だけで、その会社で働くことが嫌になるのではないでしょうか?
そもそも、マネジメントとは何か?
そもそも、
マネジメントとは何かといえば、
他人を通して目的を達するための実務と役割
です。
そうであるからには、むしろスタッフが自主的に成果を追いかけて、目標を達成してくれる方が望ましいはずです。
少なくとも監視しなくては働かないようでは話になりません。
更に言えば、全てのスタッフを常時監視化におくことはできません。
勤務時間中、ずっと貼り付いて見ている訳にはいかないですから。
そんなことをすれば、社長や管理職が利益を生み出すための時間が失われます。
その損失たるや、スタッフが1日、喫茶店で仕事をサボっているより、遥かに高く付くはずです。
だとすれば、「監視」することはやはり得策とはいえないでしょう。
では、スタッフに意欲的に働いてもらうためにはどうすれば良いのでしょうか?
部下に意欲的に働いてもらうには?
その1.参画意識を持ってもらうこと。
当たり前ですが、人間は他人に言われたことをするよりも、自らやると決めたことをするほうが意欲的にできるものです。
ですから、ただ作業を割り当てるのではなく、作業の意味を説明し仕事の全体像を見せてあげることです。
さらに、ただ作業を依頼するのではなく、スタッフには必ず「意見を求める」ことが大切です。
意見を求めるということは、スタッフへの期待の証明になりますし、スタッフの人格を尊重していることにもなります。
当たり前のことですが、スタッフはあなたと同じ人間です。
作業指示を入力すれば、入力どおりのアウトプットを出すロボットではないのです。
ですから、自明のこととしてスタッフを「人」として扱うことが求められます。
その2.コミュニケーションの頻度を上げる
スタッフを監視したくなる要因の1つは、「思った通りのアウトプット」が「予定した期日」にあがってこないことに尽きるのではないでしょうか?
「ちゃんと、仕事をしてるのか?」というわけです。
そんな疑念を持つきっかけが、売上などの「成果」なのか?
書類の作成などの「成果物」や「行動」なのか?
の違いはあっても、本質的には同じです。
もちろん、コミットした目標を達成しない、またはできない場合、スタッフにも何らかの問題があるのでしょう。
しかし、指示を出した側にも問題があるはずです。
そもそも、スタッフの能力に照らして達成可能な目標なのか?
スタッフが行き詰まった時に適切なフォローをしたのか?
スタッフから相談されない上司になっていないか?
というようなことは、厳しくセルフチェックすることが必要です。
おやおや、
「何を言っているんだ!仕事なのだから、できないなら自ら進んで助言を求めるべきだろう!」
という声が、聞こえてきそうですね。
確かに、そのご意見は正しいです。
ぼくならそうしますし、あなたもそうするのでしょう。
しかし、問題はスタッフはあなたやぼくではないということです。
違う人間なのだから、同じ考え方や行動を最初からしてくれると、期待することが的はずれなのです。
価値観は十人十色です。
あなたの部下だからと言って、あなたと同じように考えているとは限りません。
マネジメントの目的はあくまで「他人を通して目的を達する」ことなのですから、「〜するべき」という考え方に縛られて上手く行かない方法に執着するのは得策ではありません。
部下が思うように動かないことが原因で組織として成果を出せないのだとすれば、成果を達成できないスタッフと何ら変わりがないではないですか?
上手く行かないなら、やり方を変える必要があります。
やり方を変える一番簡単な方法が、頻度を変えることです。
接点が多くなれば、スタッフの様子もわかるし、依頼したタスクの進捗が話題になることもあるでしょう。
話題に慣れば、上手く行っているかどうかを判断できるはずです。
「大丈夫」「問題ありません」という言葉を鵜呑みにしてはいけませんよ。
進捗の程度を具体的に尋ねてください。本当の状況がわかるはずです。
3.成功体験を積ませる
成功体験と言っても、大切なのは「結果」ではありません。
もちろん、結果が出ることに越したことがありません。
しかし、例えばマグレで結果がでたなら、再現性はありません。
それに、むしろ上手くいった時のやり方にこだわることで大きな失敗の原因を作る可能性があります。
ここで言う「成功体験」とは、課題を発見し、あるべき姿=ゴールを設定し、解決策を考えて実行して実際に課題を解決するというプロセスです。
このプロセスを、繰り返し経験することはスタッフにとって大きな価値があります。
なぜなら、このプロセスが課題が何であれ共通する「普遍的」なものだからです。
何度も、このプロセスを経験することで、スタッフは新たな課題に遭遇しても「解決できそうだ」と思うようになるでしょう。
この「〜できそうだ」という感覚こそが、人を意欲的にする何よりの材料になります。
人間は上手くいきそなことであれば喜んで実行します。
逆に、上手くいくイメージが持てない行動には積極的にならないものです。
だから、課題を発見し、あるべき姿=ゴールを設定し、解決策を考えて実行するプロセスを通して「成功体験」を積んでもらうことに価値があるわけです。
まとめ: マネジメントは監視ではない。
今回は「マネジメントは監視ではない」というタイトルでお話をさせていただきました。
マネジメントとは、「他人を通して目的を達するための実務と役割」です。
故に、監視を強化した結果、部下が上司に対して不信感を抱くのであれば無意味だし、そもそも完璧に監視など出来はしません。
監視したところで、それにいちいち指示命令や指導を加えていくとしたら、マネジャーの時間がいくらあっても足りませんしね。
結局のところ、スタッフが勝手に目的を達成するための最適な行動を取ってくれるように仕向けるのが一番なわけです。
そのためのポイントとして「参画意識を持ってもらう」「コミュニケーションの頻度をあげる」「成功体験を積んでもらう」を挙げました。
ぜひ、あなたの会社でも実践してみてください。
株式会社NorthStar 今野富康
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