個人の 生産性 を向上させるコツ
生産性 を向上させるには?
目次
普通の人の4倍の仕事をこなして定時で帰るには?
生産性 という言葉をよく聞くようになりましたよね。
例えば、先日、クライアント先のスタッフの方から、「効率よく仕事が回せない」「毎日、深夜まで残業になってしまう」というご相談をいただきました。
ちなみに、私自身は、会社員時代、営業、マーケティング、システム開発のPM、総務、他を同時に担当して、なおかつ18:30には帰宅していました。
担当範囲からすれば、通常の4倍の仕事をこなしていたことになります。
当時は、会社員でしたがタスクの量がとにかく多く、担当している範囲が広かったです。
一応、肩書は経営企画室でした。
しかし、中小企業の経営企画室は、結局、担当の部署が明確にならなかったり、定型化されていない業務を処理する部署です。
要は「何でも屋さん」です。
当然、マニュアルもなければ、型もありません。
やり方がわからない業務でも、自分でやり方を調べて対応していくわけです。
取引先の方からは「ぼくが同じ仕事をしたら、間違いなく病みます」と言われていました(笑)。
その方は、相当優秀な方だったのに多分、謙遜でおっしゃったと思うんですが、小さな会社の経営企画というポジションが楽でないことは確かです。
しかし、同じような環境にいても、なかなか仕事が進まず、結果として長時間働いているのにアウトプットが十分出せないというケースは多いようです。
私の経験では、いくつかのポイントを抑えるだけで効率よく素早く仕事をこなせるようになります。
この記事では、個人の生産性を向上させるコツについて解説します。
ポイントは大きく5つです。
では、早速、始めましょう。
「次に何をするか?」を考える時間を無くす。
もっとも業務効率を下げるのは?
仕事の効率を下げる最たる原因は、「次に何をするか?を考える」ことです。
例えば、1日の勤務時間が8時間だとします。そのうち休憩が1時間。残りは7時間です。
7時間のうちに約30個のタスクを消化するとすれば、1個あたりの所要時間は12〜15分となります。
問題は、この30個の作業と作業の間に28個の「隙間」があるということです。
28個の隙間にそれぞれ3分ずつ、「次に何をするか?」を考えるとすると、その時点で3分×28回=1時間24分をロスすることになります。
1時間24分をロスすると、当然、その分の執務時間は、残業になります。
この他に、トイレに行く時間などもあるとすれば、おそらくは1日最低でも2時間は失う事になります。結構、大きくないですか?
ちりも積もれば山となる
ちなみに2時間といっても、出勤日が365日中220日だとすれば、440時間ロスすることになります。
440時間のロスということは、休憩含め8時間が労働時間だとすると、55営業日を「次に何をするか?」を考える時間に費やすことになるわけです。
55日といえば、営業日で割返すと2ヶ月分です。
今の働きぶりで、1年が2ヶ月長くなったとしたら、もっと多くのアウトプットを出せるのではないでしょうか?
もちろん、これは「仮定」の話ですが、実際にはこの仮定よりもさらに多くの時間を「次に何をするか?」を考える時間に使っているケースは多いです。
「やるべき時」に「やるべきこと」をする仕組みを作る
「やるべき時」に「やるべきこと」をする。
この当たり前が案外難しいというか、出来てないんですよね。
まず、ありがちなのは、飛び込み出来た仕事にとりあえず手を付けてしまうというパターンです。
飛び込み出来たからと行って、その仕事が重要である保証はありません。
また、その仕事の納期が今かかっている仕事より時間的に近い保証もありません。
当然ですが、納期がある仕事は納期までに終わらせなければなりません。
ということは、飛び込みで来た仕事に対応すれば、納期に間に合わせるために残業せざるを得なくなります。
その結果、毎日、残業している。こういうケースはよくあるのではないでしょうか?
「やるべきこと」を特定するのは案外簡単?しかし、、、
「やるべきこと」が何か?は、概ね誰でも把握しているものです。
だから、これはそれほど難しくない。しかし、「やるべきこと」についても実際には吟味する必要があります。
名著『7つの習慣』に出てくる考え方で、重要性と緊急性のマトリックスというものがあります。
まず、真っ先にこなさなければいけないのは、①の領域です。
この領域は「重要」かつ「緊急」なわけですから、当然優先順位が高いです。
日々の仕事では、次に「やらざるを得ない」のは③の領域です。この領域は「重要」ではないけれど、「緊急」です。
例えば、会社にかかってくる電話、流れてくるFAX、あるいはEメールもそうかもしれません。
緊急のタスクに本当に対応しなければいけないのか?
しかし、③の領域については、「場合によって」はその場で対応しなくてもいいケースが多々あります。電話などは典型的です。仕事をしていて、かかってくる電話はいろいろありますが、かけてくる人は概ね決まっているはずです。顧客、仕入先、同僚、部下、売り込み、概ねこんなところでしょうか?
まず、顧客からの電話は「重要」ではありますね。しかし、それがいつでもその場で応答しなければいけないのか?というと、「No.」だと思います。顧客から「指名でかかってくる電話」の場合は緊急性は低いと見ていいでしょう。こういうケースでは1時間後に応答しても仕事を失うことは、ほぼありません。
新規のお客様からの電話の場合は、極力、その場で応答するのがおすすめです。
なぜなら、多くの新規顧客はまだ「信頼関係ができあがっていない」あなたの会社に電話をかけてくれているからです。
この場合、手早く用件のを済ますことができれば、顧客はそのスピードに信頼を寄せます。
なので、できるだけ、電話には早く対応した方がいいでしょう。
ただし、「早く対応するべし」という原則は、必ずしも「あなたが」という主語を伴いません。対応の方法さえ共有できているなら、別にあなたが対応する必要はありません。
もし、あなたが仕事をする上で集中力を寸断される要因が新規顧客からの電話なのであれば、人を雇って教育し、対応を任せることには十分な価値があります。
FAXについても、電話とほぼ同じ考え方で良いと思います。
ただし、FAXでのレスポンスに対して、アポイントを取得して商談に持ち込むフローの場合は、経験上15分以内の折り返し電話がもっともアポ率が高いです。
しかし、この場合も対応者があなたである必要は特にありません。
数分の電話でアポイントを取得するまでの対応は、新人であっても比較的短い時間で身につけることができます。
「やるべき時」は納期ではない?
タスクリストを作り、期限を設定する。ということについては、実行している人も多いかと思います。
しかし、現実問題として、それでも仕事が納期通りに仕上がらない。
ということは、頻発します。その原因は2つあります。
1つには、仕事の所要時間を見積もっていないことです。
あるいは、過少に見積もっているケースが挙げられます。
こうしたケースでは、当然ながら、予定したタスクをスケジュール通りに完了させられる可能性は低くなります。
2つ目、タスクの実行日が決まっていないケースです。
納期が決まっていても、実施するための日時を指定してスケジュールを押さえな限り実行はされない可能性が高くなるでしょう。
特に、あなたが日々、忙しく働いているなら尚更です。
タスクをこなすスケジュールを確保しなければ、次から次へと振ってくるタスクにあっという間に時間を食われてしまいます。
したがって、タスクを設定し、納期を決めるだけでなく、実施日時についても決めておく必要があります。
不可能に感じられるかもしれませんが、感覚としては取引先とのアポイントを取るのと同じことです。
顧客相手に決まった日時を、決めたとおりに確保することができるのですから、「自分とのアポ」が取れないはずがありません。
依頼された仕事は先行管理する。
ここでいうところの依頼された仕事というのは、「そこそこ大きな塊の仕事」です。
つまり、「コピーとって」的な話ではありません。
依頼された仕事は先行管理する必要があります。
ここで言う先行管理は、積み上げ式に仕事をすすめるのではなく、完成予想図からプロセスを分解し、予測できることを予測し、リスク要因を取り除いていくことです。
納期を設定する。実行する日時を決める。という点については、通常と同じです。
まずは予測するべきことを予測する。という件から勧めていきましょう。
予測するべきことを予測する
予測するべきことはいくつかあります。
依頼者の性格・行動パターン、起こりそうなトラブルやエラー、依頼事項以外に工数を取られそうな他のタスクについても考えておく必要があります。
また、手伝ってくれそうな部下や同僚の予定も確認して置く必要があります。
依頼者と同様、手伝ってくれそうな部下や同僚の性格や行動パターンから、発生しそうな問題も事前に予測しておくと慌てないで済みます。
依頼者の性格や行動パターンから、予測できるとトラブルやエラーは、例えばこんなものです。
依頼者:
・依頼された作業の期待値が変動する(大抵は、勝手に高くなる)
・依頼事項の目的がブレる
・納期が繰り上げられる
・前回のチェック時に「OK」だったものが「NO」になる
・打合せて合意したはずの内容がひっくり返る
手伝ってくれそうな部下・同僚、他:
・依頼事項を「寝かされる」(ようは放置される)
・誤った理解の下、進められて結局やり直すハメになる
・依頼を持ち込んだ時点でぶーたれる(苦笑)
・ミス
・業社の納品遅れ
などなど。
こうしたことは、最初から予想ができます。
大抵は、以前にも同じようなことが起こったことがあるはずですからね。
前に起こったことなら、多くの場合、また起こります。
ということは、一度起きたことはまた起こることが予想できますし、予想ができるなら対処もできるはずです。
もちろん、根本解決している場合は除きます。
部下に依頼した仕事の実行管理は毎朝5分
依頼した仕事はまず第一に、自分と部下で共通の情報を持っておく必要があります。
依頼した仕事を忘れたり、また忘れられたりするのが、結果的に時間的なロスがもっとも大きくなります。
また、納期直前で、依頼事項が実行されていないことが判明すると、顧客に迷惑をかけることにもなりかねません。
こうした事態を防ぐためには、実行管理をする必要があります。
とはいえ、実行管理といっても難しいことではありません。
単純に、タスクリストを手元に朝5分ほど部下と話す時間があれば事足ります。
タスクリストで抑えたほうがいい項目:
・タスク:経験上、書き方は「○○をする」という行動ベースの書き方にしたほうが、実行されやすい傾向があります。
・納期:いつまでに、その仕事を完了させなければいけないのか?の期日です。
・チェック日:進捗をチェックする日時も予め指定します。
・品質:そのタスクが完了した状態とは、具体的にどんな状態なのか?について共通の認識を持っておかないと、期待と大きくズレた品質の成果物が上がってくる可能性が高いです。
チェックの方法
チェックの方法は、自分と部下でリストを見ながら順番にタスクの進捗を確認していきます。
できるだけ、チェック日または納期の近いタスクから、順に進捗を確認すると効率的です。
目的は、進捗の思わしくないもの、エラーやトラブルが起きそうなものを事前に把握して対策することです。ポイントはトラブルが起こる前に防ぐことです。
また、日日で管理をすることで、部下に優先順位の付け方を理解させる助けにもなります。
依頼リストをチェックするだけでなく、その日の行動予定についても報告させるようにしてください。
報告内容を聞きながら、空いている時間や順番変更可能な作業と依頼したタスクを差し替えると効率よく管理ができます。
ツールを使う
私の場合はいくつかの無料ツールを組み合わせてスケジュールとタスクを管理しています。
1.サイボウズライブ
ご存知の方は多いと思いますが、念のために解説をしておくと、サイボウズ社が提供しているカレンダーツールです。
無料で使えますし、一緒に仕事をしている人とスケジュールを共有できるので便利です。
ただし、最近はiosとの連動がいまいちなので、以前の方が使いやすかったと感じています。
目的はあくまでスケジュール共有による、ダブルブッキングの防止、お互いのスケジュール把握が目的です。
このツールを使うだけでも、お互いのスケジュールがわからないことによるコミュニケーションの無駄が省けます。
2.ワンダーリスト
これも無料ツールです。このツールのいいところは、タスクをリスト化できだけでなく、締切の日時だけでなく、アラートを鳴らす日時も指定できることです。
私の場合は、タスクが発生した時点でわーんだ~リストに書き込み、納期とアラート期日を設定するようにしています。
こうすることで、仕事の抜け漏れを防げますし、「覚えておく手間」から解放されるのが大きいです。
人間の脳みそは、原則、一度に一つのことにしか集中できません。
なので、発生したタスクを忘れないようにしながら、目の前の仕事をしていると生産性はガタ落ちになります。
依頼した仕事も依頼先の名前を項目にして、タスクを入力しておけば管理できます。
私の場合は自分でこなすタスク以外にも、同僚や取引先、外注先にお願いしていることも多いのですが、アラート機能を使うことでお願いしたことをチェックし忘れるといったエラーも防げます。
そうした効率の無駄を解消するのに、ワンダーリストは打ってつけです。
ちなみに、何度かこのツールを紹介していますが、ワンダーリストの回し者ではありません(笑)
3.Live Start Page
これも無料ツールです。というか、無料版を私は使っています。
このツールはクロームのトップ画面に美しい風景の動画と時計、タスクリストを表示できるツールです。
もちろん、PCのディスプレイにはデフォルトで時計が表示されているわけですが、個人的には大きく表示される方が好みです。
タスクリストがスタートページに表示できることで、手帳などを開いて確認する作業をしなくて済みます。
スタートページを開きっぱなしにしておけば、すぐにリストを確認して作業にかかれます。
更に、完了したタスクはチェックしていくと、何個中何個のタスクが完了したかが表示されます(例:4/11という感じです)。便利です。
重要な仕事を優先する
重要な仕事が優先される環境はごく少数
「重要な仕事を優先する」といえば、当たり前に、思われるかもしれません。
しかし、私の知る限り重要事項が優先されている職場はごくごく少数です。
ほとんどの職場で優先されているのは、重要なことではなく「緊急性の高い」ことです。
典型的なのは電話、Eメールなどなどです。
また、今は少なくなりましたが、飛び込みで訪問に来る営業マンへの対応なども「緊急」の業務に含まれるかもしれません。
しかし、電話にせよ、Eメールにせよ、営業マンにせよ、緊急ではあっても、重要ではありません。
緊急ではなない重要な仕事を優先的に処理しておく利点
緊急ではない重要な仕事を優先するとどんなことが起きるのでしょうか?
もっとも分かりやすいのは、「緊急かつ重要な仕事」の絶対量が減ることです。
考えてみると、緊急度が上る前に重要な仕事を処理しているわけですから、これは当然の結果と言えます。
また、「緊急かつ重要度は低い」仕事についても、重要な仕事を優先するうちに減っていきます。
なぜなら、緊急性高い重要性が低い仕事を減らす活動そのものが「緊急ではないが重要な仕事」そのものだからです。
例えば、オフィスで働いている場合には、細々とした作業を周囲から依頼されたり、部下から質問を受けたり、度々、作業を寸断されているかもしれません。
もし、その事自体が業務効率を下げているのではないでしょうか?だとすれば、その状況を改善する施策を講じることは緊急性は低くても重要性は著しく高い仕事といえます。
もちろん、今の状況でもなんとか仕事をこなせているので、その意味では緊急性は低いでしょう。
しかし、業務効率が低いまま、長時間労働を、休日も取らずに続けているとすれば、いずれ生産性は低下します。
あなたの生産性が低下して、対応力が下がれば、会社全体の効率を引き下げることになるわけです。
だとすれば、「作業を寸断される」ことはあなたの業務効率の問題であるばかりでなく、会社全体の効率を下げているわけですから、個人的にも組織としても「重要度の高い」問題ということになります。
まとめ
今回は個人の生産性の向上についてお話しました。ポイントは以下のとおりです。
・「次に何をするか?」を考える時間を無くす。
・「やるべき時」に「やるべきこと」をする仕組みを作る
・依頼された仕事は先行管理する。
・部下に依頼した仕事の実行管理は毎朝5分
・重要な仕事を優先する。
結局のところ、小さな積み重ねでしかないのですが、その小さな積み重ねが後々大きな差を生みます。
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