新規事業立ち上げ日記 2 : 兵は拙速を尊ぶ

2020.08.26 (水)
新規事業立ち上げ日記

新規事業立ち上げ日記 の第2回です。

 

2020年08月25日(火) 

northstar の今野です。

 

独立 をした時から、実はずっと他の人を羨ましく思っていたことがあります。

それが何かというと「 具体的 な 商品 」を持っていることです。

 

それ、普通 じゃない?と思っている人も多いと思いますが、 意外 にそうでもないんですよ。

 

というのは、B2B の 商売 って、 意外 と商品がなくても成り立つんです。

つまり、 スキル 、 経験 、 知識 といった 無形物 を売ることで、お客様の 業績 改善 に 貢献 するという スタイル が成り立つのです。

 

言ってしまえば、 お客様 を儲けさせるのが 生業 になりうるということ。

 

例えば、 セールスライター 、 マーケティング・コンサルタント 、 ビジネスコーチ と言った 仕事 は 典型的 な「お客様を儲けさせる」 仕事 ということができます。

 

 

もちろん、こうした仕事にもやりがいはあるのですが、私の 場合 はずっと長いこと「 自分 の 商品 を売りたいなあ」という思いがあったのです。

 

 

せっかく 蓄えた 経験 や 知識 、 磨き上げた スキル を 自分 の 事業 に使いたいという 願望 があったんですね。

 

 

なぜかというと、「これやろう!」「あれやろう!」「それ試そう!」を 自己 判断 で 即断 即決 して、すぐ形にでいるからです。

 

基本的 に落ち着きがない タイプ の 人間 ですから、とにかく「さっさとやりたい!」と思うことが多いんですが、お客様 のご 商売 に関することであれば 勝手 にやるわけにはいきませんからね。

 

お客様が 大切 にされている 価値観 や 考え方 、セルフイメージ、コーポレートアイデンティティとの兼ね合いの中で合意を取りなが進める必要があります。

 

どれも、大切なことですからね。

 

 

でも、自分の会社の自分の商品、尚且つ、ゼロからの立ち上げであれば、、、好きなことができるじゃないですか?笑

 

もちろん、事業コンセプトとか、ミッションみたいなものありきで話ですが、せっかちな私にはさっさと決めて進められるのはとても快適なのです。

 

 

今日は「食品で事業をやる!」と決めて3営業日目ですが、どんなことをしたかというとこんな感じです。

 

「競合リサーチ」、「試作品作成用の設備購入」、「保健所に法律や許可などの確認」、「設備メーカー様へのアポ」、「商号登録に向けて情報収集と弁理士の先生のアポ」、「メーカーについての知見がある方にアポの打診」「試作」、、、結構いろいろやっていますね。

 

競合リサーチ

競合リサーチ、、、何をするか?

実際に、買って、食べて記録する!単純!笑

 

まあ、競合と言っても、正面切って戦うわけではないんですけどね。

競合調査

 

うちが提供しようと考えているのと同じ商品ジャンルを取り扱っていらっしゃる他社さんが、どれくらいのボリュームの商品をどれくらいの価格で提供しているのか?

 

クォリティは?販売方法による値段の違いは?想定される原価は?などなど、を観察したり分析したりするのが目的です。

 

昨日していた、競合リサーチはサイトの分析でしたが、今回は商品そのものの分析をしていました。

 

サイトを分析した他社さんとは、扱っている商品は違うんですが、商品の分量は概ね一緒でした。多分、業界的にこれくらいの量が標準なんでしょうね。

 

で、味はとても美味しかったです。素晴らしい。

 

美味しいカレーでした〜。しかも、材料的にはかなりヘルシー、動物性タンパク質ゼロです。素晴らしい商品に出会うと、嬉しくなりますね。

 

うちもいい商品を作るぞ〜!というモチベーションになります。

 

 

試作品作成用の設備購入

northstarで手掛けようと思っているのは、惣菜を真空パックして急速冷凍したものを通販で販売することです。

 

いわゆる冷凍食品ではなくて、惣菜製造業で、流通の方法を冷凍にするイメージですね。

 

なので、試作には2段階あって、まずは真空パックにする。次に急速冷凍するという段階を踏みます。

 

今回仕入れたのは、真空パックにするための機器です。これも種類がかなりあって、家庭用・業務用兼用でいけるもので、尚且つ、真空パックの素材が100℃〜-35℃までの範囲に対応している必要があります。

 

そうしないと、湯煎と瞬間冷凍に耐えられないんですよね(^◇^;)

 

しかし、機器に種類がありすぎるのと、真空パックの素材や性能がまちまちで選ぶのにかなり苦労しました。

 

ひとまず、良さそうなのを見つけたので購入して、今は到着待ちです。

 

保健所に法律や許可などの確認

食品を扱うので、保健所の許可をもらわないと営業できません。ただ、食品についてはズブの素人なので、営業するために何が必要なのか?皆目見当がつきません。

そこで、手っ取り早く保健所に相談に行ってきました。

 

運よく相談に来た人が他にいなかったので、かなり丁寧に説明をしていただいて、メモを取りまくって帰ってきました。

 

今回、私が提供しようとしているものが、カレーやおかず類、つまり、お惣菜なので、必要な営業許可は「惣菜製造業」ですみそうでした。

ちなみに、カレーをレトルトで作る場合は「缶・瓶詰め等製造業」の許可が必要だそうです。

 

ややこしいのは、もし、おご飯を提供する場合には「飲食店」の許可が必要なったり、麺を製造すると「製麺」で別途許可が必要なこと。

 

かなり細かくカテゴリが分かれていて、製造方法などもガチガチに固められている感じでした。

 

 

こうやって、細かく管理されているから、比較的、安全に食事ができるんだなあと感心しました。

 

 

設備的な部分で言うと、シンクは3槽必要、トイレには独立した手洗い場が必要、業務専用の台所、ドアが開きっぱなしにならないこと、冷蔵庫は面から温度が分かる仕様の業務用を使うこと、床は耐水性であること、など注意点があったのでそれらを踏まえて飲食店または惣菜製造業の居抜きの物件を探そうと思っています。

 

なぜ、居抜きか?と言うと、居抜き物件は過去に保健所の検査をパスしているからです。やりたいことができれば、新築である必要性はゼロです。

 

設備メーカーさんへのアポ

今回の事業で言うと、真空パック化と瞬間凍結が製造上の肝になります。

小規模であっても、この2つの生産設備は営業開始時点で準備をしておく必要があります。

 

そして、真空パックについては手ごろな機械が手に入るのですが、瞬間凍結については難しい。どうしても、ここだけはプロ仕様にならざるを得ません。

 

そんな訳で、、、来週9月2日の水曜日に神戸にあるメーカーさんに出張してきます。

 

実は、冷凍のサンプルを作ること自体は郵送のやり取りでも可能だそうですが、、、導入を検討するには機械自体を見たほうが良いだろうと言うことで、久しぶりに出張です。

 

目的は、3つあって1つは瞬間凍結のデモを見せてもらうことです。そのために、真空パックの商品を準備して前日の午後までに神戸に届けなければいけません。

 

2つ目は、機械の設置環境などについて確認すること。これがないと、どの程度の広さの物件を抑えればいいのか?が検討できないんですよね。

 

あと、振動がどの程度か?も知っておく必要がある。と言うのも、物件情報を調べると1階よりも5階、6階の方が明らかに家賃が安い!笑

大きさ的に1階以外にも運び入れられるのか?についても把握する必要があるのでやはり具体的に機械を見ておいた方が良さそうです。

 

もう1つの目的は、機械の正確な価格を教えてもらうことです。これがわからないと事業計画が立てられません(^◇^;)

 

なので、きっちり現地で現物を確認してきます。

 

 

商号登録に向けて情報収集と弁理士の先生のアポ

今回は、エンドユーザー=一般消費者向けに製造〜販売までを手掛ける事業なので、商標を取ります。

 

メインになるECサイトのサイト名称の商標をまずは取得したいと言うことで、その道のプロである弁理士の先生にご相談することにしました。

 

プロの方の知見をお借りする訳なので、当然、申請手続きをお願いする前提でお時間をいただきます。

 

具体的に割いていただく時間が30分であっても、その30分は「今までのキャリア+30分」の重みがあるのでただで知恵だけ借りると言うようなことは当然しません。

 

手続きをフルに自分でやれば、費用は押さえられるかもしれませんが、、、商標登録って最低でも1年くらいの長丁場ですし、相談できる専門家は不可欠です。

 

そんな訳で、「食品事業やるぞ!」と決めた2営業日目には、これについてもすでに動き始めています。ちょっと気が早いかもですが。

 

メーカーについての知見がある方にアポの打診

これも、私には知見のない分野なので、経験のある方にアドバイスをいただくことにしました。

 

もちろん、今までクライアントに製造メーカーがいたことはありますが、自分自身が製造メーカーのクライアントになったことはありません。

 

なので、交渉にどんなオプションがあるのか?どのようなプロセスを経て契約まで進むのか?メーカーの営業の典型的な手法はどんなものか?などなど、現場にいた人に聞いておいた方が良いと言う判断です。

 

機械を売っている方が、どんな視点で、どう考えるか?がわかっている方が、やりとりはスムーズにできるであろうと思います。

 

試作

そして、試作です。

 

新規事業立ち上げ日記今回はブルガリアの冷たいヨーグルトのスープ「タラトル」を作ってみました。

 

試作のポイントは、味もさることながら、想定している真空パックと瞬間冷凍に向いているか?という視点です。

 

作って食べてみた感想としては、個人的には「微妙だな」という感じ。

 

多分、ベースになるヨーグルトが今回はタラトル向きではなかったのかもしれませんが、旨味が足りないと思いました。

つまり、私の引き出しでは今回は美味しくできなかった。

 

旨味調味料を一振りしたら、かなり美味しくなりましたが、コンセプト的にあまり化学調味料には頼りたくないので改善の余地ありです。

例えば、昆布の粉末を足すとか、そういう方法で補えないか・・・

 

あとは、具材で入っているキュウリが瞬間冷凍→解凍の過程でどう変化するのか?がいまいち見えないということもあります。

 

手元に機械がなく試せないのが残念です。

 

今日の教訓: 兵は拙速を尊ぶ。

孫子の言葉です。有名ですよね。

 

正直なところ、現状では見切り発車も見切り発車の状態だと思います。

 

リサーチをしながら設備のことを考えているわけで、決して順序正しく進めているわけではありません。

 

しかし、今回のように自分にとって未知の領域で何かをする場合、全てを知ってから動き出そうとすると永遠に動き出さない可能性すらあります。

 

ただし、専門的な知見が自分には皆無であるということは自覚して、知見を借りたり、教えてもらうことは必要です。

 

素早く進んで、間違えたら素早く戻る。素早く転んで素早く立ち上がる。素早く試して、失敗したら、素早く修正して、また試す。

 

とにかく速さとアクション数が必要な段階かなと思っています。

 

新規事業立ち上げ日記 のその2をお送りしました。

 

関連記事:
新規事業立ち上げ日記  1 : できるところから手をつけよう
成長する会社 の3つの特徴 : 経営
会社が成長しない 3つのパターン : 経営戦略
 
外部ブログ:
・今野富康のアメブロ
 
情報収集で参照したサイト
岐阜市保健所食品衛生科
イプロス(医薬食品技術データベース)

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