新人研修 で大切なこと
目次
新人研修 シーズン到来
新人研修 の準備は進んでいるでしょうか?
新卒採用をしている企業であれば、そろそろ 新人研修 の準備が始まっていることと思います。
新人教育では、通常、社会人としての基礎的な知識、例えば名刺交換やマナーなどを教えたり、業務知識を教える事が多いです。
確かに、そうした知識は重要です。
しかし、新卒社員が企業に定着し、働き続けるためには知識以外の部分で理解しておいた方がいいことが幾つかあります。
大人たちがいつの間にか持っている暗黙の了解
新人研修 を、毎年させていただいているクライアントのところで新入社員の皆さんにいつも話すことがあります。
それは、「会社は学校じゃない」ということです。
大人にとっては当たり前でも、社会人経験のない新人にとっては結構なカルチャーショックではないか?と思うのです。
もちろん、言語的に意味はわかるでしょうが、肌感覚ではかなり違和感があるはずです。
この点を理解してもらえると、新人の方たちも定着し易いと思います。
学生から社会人に頭を切り替えてさえくれれば新入社員が会社に馴染めます。
逆に、ここで躓くとその後苦労します。
以下、会社と学校がどう違うか?について、少し具体的に考えてみます。
会社と学校の違い
1.立場の違い
学校は学生(親)がお金を払って教育というサービスを提供してもらう仕組みです。
学生はいわばお客さんということになります。
しかし、会社では、働く人が役務・成果を提供する代価として、給料(お金)をもらうわけです。
なので、そもそものスタンスとして、「なんでもお膳立てしてもらえないと動けません」「指示がないから何もしませんでした」「知らないから仕方がないじゃないですか?」というような、「待ちのスタンス」で働くようでは話になりません。
ですから、「仕事は自ら探すもの」「積極的に取りに行くもの」ということは、教えておく必要があります。
多くの企業では、初期研修を除けばOJTで教育を行うことが多いでしょうし、必ずしも体系だった教え方ができるわけではありません。
新人の側に積極的な姿勢がなければ、先輩、上司の側としても教える場をわざわざ通常業務の他に作る必要が出てきます。
新人が自ら学ぶ姿勢を持つのは、通常業務を行いながら、仕事を教える先輩・上司にとっても必要なことなのです。
2.自己実現のために会社があるのではない
当然ですが、会社は会社として実現したい目的や成果のために社員を雇用します。
社員、スタッフは会社が望む目的や成果を達成するために、役務や成果を期待されて採用されます。
ですから、会社の目的に向かっていく過程で会社に貢献しながら自己実現を図るのはかまわないけれど、自己実現したい方向性と目の前の仕事が合わないからという理由で、へそを曲げるのはお門違いということになります。
自己実現したい方向と会社の仕事の間には「多かれ少なかれ」ギャップはあるものです。
それが、嫌なら転職するのも選択肢ですが、新人の自己実現のために存在している会社なんてどこにもありません。
大人から見れば当たり前のことですが、現実に新卒者の多くは「リアリティギャップ」と呼ばれる、彼らが抱いている理想と職場の現実の間にあるギャップに打ちのめされます。
最悪の場合、このリアリティギャップが原因で退職に至るケースもあるのです。
ですから、そうしたギャップがあることは、早めに教えておくほうが無難です。
3.研修は先輩が稼いだ利益で運営されている
当たり前ですが、外部の講師を招聘したり、外部の研修に派遣したりして新人研修をすればお金がかかります。
そして、そのお金は会社が捻出します。
言い換えれば、先輩たちが努力して積み上げた利益から捻出されます。
教育の場をわざわざ設けてもらえるのは、当たり前ではないし、研修の場を適当にやり過ごすのはお金をドブに捨てているのと同じことです。
ですので、厳しいようですが、私が新人研修をする際には「ちゃんと受ける気がないなら、部屋を出ていっていいから先輩(会社)にお金を返しなさい。」という趣旨のことをお伝えするようにしています。
まだ、何の実績も経験もない新人に会社がわざわざ教育の場を設けているのは、会社としての期待の現れです。
そのこともまた、新人には伝えておく必要があることです。
4.チャンスは平等ではない
どこの会社でもそうですが、同じ時期に入社したからといって、全員が同じようにチャンスを与えられるわけではありません。
たまたま急成長しているビジネスを運営している部署に配属されれば、人によってはあっという間に成果が出て、昇進して、給料が上がるなんてこともありえます。
ところが、同じポテンシャルを持った人が、優秀な先輩社員が集まっている花形部署(成長部署ではない)や斜陽部署に配属されれば急成長部署に配属された人と同じような結果にはなりません。
おそらくは、しばらくは下積みに近い形で雑用を任されるケースが多いのではないでしょうか?
もちろん、チャンスを求めるのは悪いことではありません。
むしろ、積極的にチャンスは取りに行くべきです。
しかし、チャンスがないことに腐ってしまうようでは、成長することはできません。
腐っている人間に「チャンスをあげようという」お人好しは社会にはあまり多くはありませんから、どんな状況でも前向きな努力をし続ける必要があります。
「チャンスはそもそも平等でも公平でもない」ということは最初から、新人に教えておいたほうがよいでしょう。
5.教えてくれるのは当たり前のことではない。
「先輩が熱心に指導してくれるとしたら、それは相当な幸運だと思った方がいい」これも、新人研修の場で必ずお伝えすることの1つです。
理由は、先輩 の成果は自分に課せられた目標を達成したか否かで測られているからです。
「新人をどれくらい熱心に指導したか?」という、数値化できない指標で評価されることは通常ありません。数値化できる成果が上がれば評価が高まり、成果が下がれば、評価が下がります。
「新人教育をしていました。」というは、成果が下がった言い訳になりません。
「それでも、新入社員を指導してくれる先輩がいるのなら、心から感謝と敬意を払うべきだ。」
ということも、新人に予め知っておいてほしいことの1つです。
まとめ
今回は、新入社員研修で、新人に伝えておくべきマナーと業務知識以前のお話をしました。
どれも、社会人的には「当たり前」のことです。
しかし、新卒者と何年も社会に揉まれてきた社員ではその「当たり前」の基準がそもそも大きく異なります。
新人の当たり前の基準を社会人用に調整しておくほうが、スムーズに会社に馴染んでもらえる可能性が高いです。
しかし、同じ社内の人が新人にこれらの「当たり前」を伝えると恩着せがましく取られたり、ちょっと気まずくなりがちです。
新人教育を上司や人事担当者だけで行う場合、今後の人間関係を考えて厳しいことをいいにくいというケースも少なくありません。
ですから、こうした「当たり前」を新卒者に伝える場合には、外部講師を雇って伝えるのがおすすめです。
新卒者には、最初から会社にぶら下がるようなマインドでいてもらっては困ります。
少なくとも学校に来るようなスタンスで会社にこられても持て余すでしょう。
新人にとっても、早めに頭を切り替えて社会人として生き抜くガッツを持ってもらえれば、ポテンシャルを発揮できるはずです。
会社と新人、両者の認識をあわせておくほうが、お互いにメリットは多いです。
株式会社NorthStar
※今野富康のアメブロはこちら。
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