売れると儲かるは別( コピーライティング のリアル)
コピーライティング の作業をしていて、つくづく感じることに「単に売れるコピー」と最終的に「儲かるコピー」の違いがあります。
正確には、コピーそのもの問題ではなくて、コピーがはめ込まれている一連のマーケティングフローの設計の問題です。
どんなに、売れるコピーを書いてたとしても、マーケティングフローが儲かるように設計されていなければ、売れるものも売れないというのがビジネスの現実なんですよね。
いや、散々、そこで失敗して、苦労の割には報われない(涙)という経験をしてきたんで、私は結構身にしみてます(笑)
そんなわけで、今回は、「売れると儲かるは別」という話をしたいと思います。
目次
コピーライティング で売るために必要な要素
とはいえ、まずはセミナー、コンテンツ、教材が売れなければ話にならないですよね?
売れるコピーが必ずしも儲かるとは限らないわけですが、「売れないコピー」は絶対に儲からないので、まずはどれだけ売れるコピーを書くか?という勝負になります。
ただし、実際には「売れるコピー」があるのではなく、「コピーで売れる」状況があるのが現実です。
「コピーで売れる」状況で、できの良いコピーでセールスができると爆発的に成果が出ます。
要素は3つあります。「リスト」「オファー」「コピー」です。
リスト
リスト=メール配信先/DM送付先=見込み客リストです。
このリストのお客さんがどんなニーズを持っているのか、何を感じているのか?がわかっているのが、当たるコピーを書くための大前提です。
ニーズがない相手に、マーケティングもコピーライティングも通用しません。
どんなに上手く売り込まれたところで、「いらんもんはいらん」のです(笑)
ゆえに、まず、あなたの商品、セミナー、コンテンツ、教材に興味があったり、すでに欲しがっている、最低でも欲しがる可能性があるお客さんのリストをつくることが必要です。
理想を言えば、あなたの商品や商品が届ける価値を「渇望」しているお客さんを見つけられたら最高です。
この状態であれば、実は、オファーもコピーもいりません。
商品を目の前に置けば、先を争って買ってくれます。
ただし、普通はそこまで渇望しているお客さんはいないので、いろいろとテクニックを使って売るわけです。
また、リストのお客さんと信頼関係を築けているかも重要になってきます。
当たり前ですが、人は誰でも信用できるお客さんから買いたいものなんです。
人間というのは、初対面の天使より、馴染みの悪魔から買う生き物です。
ポイントは、初対面か?馴染みか?ということ。
つまり、接触頻度が高い相手に誰しも親近感を持つし、親近感を持った相手から買い物をする傾向があるわけです。
もう1つ、信頼の要素は一貫性です。
少なくとも、いつも一貫した主張をしているというのが大切になります。
一言で言えば、「らしさ」をお客さんから認識されている状態であれば、信頼関係ができていると言えます。
オファー
次の要素が、オファーです。
オファーっていうのは、商品(教材、セミナー、コンテンツもこれに含まれます)と、販売条件を組み合わせたものです。
まず、このオファーが、お客さんに提示している価格よりも価値がある!と認識されれば買ってもらいやすくなります。
ようは、「お得だね!」と感じてもらえることが重要ということです。
次に、支払いのしやすさという要素があります。
「当日現金払いのみ」よりは、「クレジットカード決済あり」「銀行振込あり」の方が良いです。
また、そもそものセミナー単価が高い場合は分割払い可能のほうが買ってもらえる率は高くなりますよね。
最後、「今すぐ買う理由」をつくるという要素があります。
よく使うのは、期間限定の割引、個数や席数の限定といった手法です。
あるいは、期間限定の特典をつけるという方法もあります。
とにかく、お客さんが今すぐ行動する理由を作るというのがとても重要です。
コピーライティング
ここでようやく、コピーの出番です。
長かったですね。登場まで。
しかし、考えてみてください。
あなたの商品、セミナー、教材、コンテンツをすでにほしいと思っているお客さんに、好条件で提案したら、あっさり売れると思いませんか?
実は、リストとオファーの条件をクリアしているとコピーが多少下手でも売れてしまうんです。
だから、大切なのはコピー以前の要素だったりします。
戦略的コピーライターなんて、名乗っておいてなんですが、それが真実なんですよ〜
とはいえ、リストとオファーが良い状態で、「強いコピー」が書ければ当然爆発的に売れます(笑)
ただし、リストとオファーの段階で失敗していると、コピーでは挽回できません。
というか、間違ってコピーで売れてしまうと、リストとオファーでの失敗に気が付かずに余計泥沼にハマります。
なので、もしテストをする段階で、リストとオファーの失敗に気がつく必要があるなら、むしろ標準的なコピーのほうが良かったりします。
儲かるために必要な要素
先程まで、売れる要素について書いてきたんですが、売れることと儲かることは別です。
例えば、売れるようにするためには、すご〜く単純化すると「お客さんが感じている価値」よりも「価格が安い」ように見えれば良いわけです。
ということは、単純に価格を下げたほうが売れる可能性が高いわけです。
実際、顧客リストをつくるための商品をフロントエンド商品と呼びますが、フロントエンド商品は無料にすることも多いです。無料じゃなくても、大抵は収益が出ないくらい価格を安く設定します。
私の経験だと、5,000個近く売っているフロントエンド商品は無料でやっています。
実は、有料の商品も過去にフロントエンドとして機能しないか?をテストしたことがあるのですが、顧客獲得単価(CPA)を比較すると断然、「無料」のフロントエンドの方が効率が良かったです。
しかし、無料で集めたお客さんである以上は、、、売れても儲からない。
まあ、「無料なんだから、売ってないじゃないか!」というツッコミは当然ありえますよね(笑)
ただ、無料じゃないフロントエンドででもやはり「儲からない」事が多いです。
何故かと言うと、広告費がかかりますからね。
どんなに売ったところで、儲かりません。
では、どうすれば、「売れる」を「儲かる」に転化できるのか?というと、、、
3つやることがあります。
その1.収益計算を事前に行う。
その2.バックエンド(収益商品)を作る
その3.バックエンドの販売確率を向上させる
1つずつ解説していきますね。
収益計算を事前に行う
凄くシンプルに言うと、儲かるようにお金の流れを設計するってことです。
う〜ん、抽象的すぎてわかりにくですね(笑)
簡単に言うと、広告費をいくら投入して、何人のお客さんを獲得し、バックエンドが何件売れると黒字になるのか?を事前に計算しておくことなんです。
間をすっ飛ばすと、100万円のコスト(広告費を含む経費)を投入して、100万円の売上を出したら、収支はとんとんですよね。+マイナス0。
今の100万円の話を、マーケティングフローに落とし込んで、細分化したものがここでいうところの収支計算です。
例えば、100万円のうち20万円をセミナーを運営するための経費だとします。
そうすると、残りは80万円です。
この80万円を広告費として使って、集客を行います。
セミナー参加費は2万円、集客目標は40名です。
この場合、キチンと40名集めきれた場合は、2万円×40名=80万円ですから、収支はとんとんです。
ところが、35名しか集められないと、セミナー開催時点で10万円の赤字です。
ここで、バックエンドの登場です。
バックエンドの価格が例えば30万円で参加者の20%に買ってもらえるとすると、30万円×(35 人×20%=7人)=210万円になります。
この場合、セミナー開催時点の10万円の赤字を吸収して、200万円の黒字がでますよね。
このように、シュミレーションを事前にしておくことが、儲けを出すコツです。
バックエンドを作る
儲かる状態を作るためには、さっきお話した収支計算の下りに出てきたバックエンドを作る必要があります。
収益を出す商品ですね。
結構ありがちなのは、安すぎるケースです。
「安い」の基準は2つあって、提供する価値に対して安すぎるのが1つ。もう1つは、マーケティングフローを黒字化するには安すぎるケースです。
1つ目は結構あるので注意してくださいね。
セミナーや教材、コンテンツを売っている人は大抵、自分が得意なことを「商品」にしているはずです。
つまり、やっていて楽しいし、得意なこと、つまり「自分にとってたやすいこと」をビジネス化しているわけです。
だから、「別にふつう」という感覚で自分の商品を眺めてしまいます。
でも、お客さんから見たらそれは「普通ではない」からこそ売れているわけですよね。
だとすれば、お客さんが適正と感じる上限の価格で設定しましょう。
なぜなら、それがお客さんにとって「納得感」のある価格だからです。
というか、お客さんの立場で考えると「これ、すごく良いな!」「めっちゃ興味あるな」「絶対、すごいやつや!」と感じているセミナー、コンテンツ、教材がめちゃめちゃ安かったら、、、
「めっちゃ怪しい」って、なりません?
価格って、安ければいいってもんじゃないんですよ。
2つ目は完全なる売り手目線の話です。
お客さんからすれば、「知らねーよ」という話(笑)
でも、とても重要なことです。
なぜなら、お客さんが喜んでくれても儲からなければ、ビジネスなんて続けられないからです。
当たり前ですよね。
でも、どういうわけか、価格を低く抑えるのがお客さんのためだと思いこむ人が多いので注意が必要です。
もちろん、価格に見合う、というか、お客さんが感じる価値が価格を上回るように、バックエンドの企画をする必要はあります。
しかし、そもそも、「いくら以上で売れる商品を作るか?」という視点がなければ、企画の段階から間違います。
ですから、この売り手目線の思考もまたとても重要です。
バックエンドの販売確率を向上させる
これまでの、流れで、リストにフィットした、オファーを作り、フロントエンドで売れるコピーを使って集客する。
次に、収支を計算して、儲かるように設計されたバックエンドを投入する。
という話をしましたが、この「バックエンドの販売確率を向上させる」というフェーズはめちゃめちゃ重要です。
なぜなら、このフェーズで転ぶと、すべてのマーケティングフローの結果が一気にゼロになるからです。
バックエンドが利益が出る数、売れなければマーケティングフローは全部水の泡になります。
だから、このフェーズはめちゃめちゃ重要です。
では、どうやれば、バックエンドの販売確率を高められるかと言うと、セミナー全体を1つのセールスレターとして設計することです。
一言で言うと、セミナーで色々な学びをお客さんに提供する一方で、「もっと学びたい」「もっと知りたい」という不完全燃焼感を残す必要があるということなんです。
これは、結構難しいことで、セミナー自体に納得感や説得力は絶対的に必要なんですが、お客さんに「セミナーですべてわかった」と感じられてもいけない。という微妙なラインを攻める必要があるんですね。
ちなみに、お客さんに「全編売り込みじゃねーか!」と思われるセミナーもNGです。
信頼関係が崩れるし、あなたが今後ビジネスをしていく上でもマイナスイメージをばらまくことになります。
じゃあどうするか?
一言で言うと、全体的にはお客さんの期待に答えて、集客したときに約束した「情報」「知識」「ノウハウ」を伝えながら、最後にさらなる成功をおさめるためには「何を知るべきか?」「何をするべきか?」で話を締めることです。
その後で、バックエンドを提案すると、販売確率はそうでないときよりも遥かに高くなります。
私もさんざん実験しましたが、私が今お話したコンセプトで、クライアントのパワポを改善したところ、今まで販売成約が0だったセミナーで、成約率が30%になったり、数年ぶりに1本180万円の商品が2本売れたりしています。
そんなわけで、これはかなり大事なポイントなんですよ。
まとめ
今回は「売れると儲かるは別」という話をしました。
売れるコピーの話から、儲かるようにするには?という話までをざっと一息でお話しました。
結果、めちゃめちゃ話しが長くなってしまいました。すみません(笑)
ポイントは前半でした、「売れるコピー」のパートのように売るための仕掛けを施すことと、儲かるためのフローを組み立てる作業を分けて考えることでした。
売れるたための仕掛けというのは、前半の「コピーライティング で売るために必要な要素」でお話したリスト、オファー、コピーの整合性をとることです。
重要度順に、リスト、オファー、コピーで、最重要はリスト。
儲かるためのフローは、「儲かるために必要な要素」で解説した、収益計算、バックエンドを作ること、そして、その販売確率を向上させる事が必要でした。
すでに大きな成果を出している人は当然できていると思いますが、この一連の流れを作って改善していくのが大切です。先日の記事でも書きましたが、売れるコピーはそれだけで単独で存在するのではありません、売れるコピーは売るために必要なあらゆる要素と線でつながっているのです。
ポイントは、何度も、作って、回して、しばしば手直しすることです。
“儲かるビジネスに魔法はない。あるのは戦略だけだ。”
戦略的コピーライター 今野 富康
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