社内コミュニケーション を妨げる情報の非対称性戦略的コミュニケーションで業績を最大化する会社・株式会社NorthStar

社内コミュニケーション を妨げる情報の非対称性

2018.03.14 (水)
社内コミュニケーション を成功させるカギは情報の非対称を解消することだ

社内コミュニケーション の落とし穴

社内コミュニケーション がスムーズにいかない原因はいくつもありますが、その代表的な要素が「情報の非対称性」です。

コンサルタントとして仕事をしていると、社長もスタッフも「いい会社にしたい!」と心底思っているのに食い違ってしまうという場面にしばしば出くわします。

深刻な対立や相互不信に陥っていることも少なくありません。

 

また、逆に、経営者にとって「社員が自発的に考えてくれない」「仕事を自分ごととして捉えてくれない」ということも大きな問題になっています。

 

これらの問題はどちらも、情報の非対称が原因になっている事が多いです。

 

 

 

経営者とスタッフの間の情報の非対称 

例えば、経営者であれば売上の向上を誰でも考えると思います。

しかし、その方針を社員に伝えたときに、どうにも自分と温度感が違うと感じることが多いのではないでしょうか?

 

前年対比20%アップの売上目標はどう見えるか?

 

経営者の目線

経営者が自社のお金の流れを把握できていれば、前年対比で売上が20%伸びた時にスタッフに分配すべき利益がいくらになるか見通しが立つでしょう。

 

理屈は簡単で、経営者なら自分の会社の労働分配率くらいはわかっているからです。

念のために説明しておくと、労働分配率とは「付加価値における、人件費の比率」です。

例えば、年商1億円、粗利率50%の会社であれば、5,000万円の会社で労働分配率が40%だとすれば2,000万円が人件費ということになります。

 

この会社で売上が20%伸びるとすると、年間で2,000万円伸びることになります。

粗利率が50%であれば、1,000万円が粗利です。

労働分配率が40%固定であれば、400万円の賞与原資が残ることになります。

 

経営者は、当然ながら会社全体の数字を把握している「はず」です。

ですから、売上目標を達成することで、スタッフにどの程度の「恩恵」があるかについても理解しています。

 

言い換えれば、会社としての目標を達成することが「スタッフにとっても大きなメリットになる」ことを知っています。

 

ですから、経営者から見ると目標を提示したにもかかわらず、モチベーションが上がらないという状態が不可解に感じます。

それどころか、明らかにスタッフの士気が下がっているように感じたときには、ますます首を傾げてしまいます。

 

スタッフの目線

一方で、スタッフ側からは前年対比20%アップの目標はどのように見えているのでしょうか?

 

まず、大前提として、スタッフからは会社のお金の流れは見えていません。

したがって、売上が前年対比で20%増えた場合に、自分たちにとってどの程度の「恩恵」が期待できるか?は理解できていない状況です。

 

一方で、現場で仕事をしているスタッフはすでに「一所懸命」に働いています。

大抵は現状の仕事量で、「いっぱいいっぱい」だと感じているでしょう。

 

そんな、スタッフにとって「前年対比20%アップ」の売上目標はどのように感じられるでしょうか?

経営者側からは見えている賞与原資400万円増というメリットが理解できていないわけですから、純粋に仕事の大変さが20%アップするように感じられている可能性が高いと思います。

 

さらに言えば、自分たちのメリットがわからないスタッフにとって、会社の目標数字は完全に「他人ごと」になります。

 

「他人ごと」である以上、スタッフが目標達成のために自発的にアイデアを出すことは期待できないでしょう。

 

経営者が情報の非対称性を解消する方法

ここまで説明して来たように、目標1つとっても経営者とスタッフではまるで見え方が違います。

見え方が違う理由は、両者がそもそも持っている情報の量の違い、つまり情報の非対称性です。

 

経営者とスタッフの情報が非対称であるがゆえに、本来、共通の利益があるはずの目標を積極的に達成するアクションが起こりにくくなってしまうわけです。

 

では、この情報の非対称をどのように解消すれば良いのでしょうか?

 

簡単に言えば、可能な限り情報を公開すればよいということになります。

もちろん、ある程度のさじ加減は必要だとは思いますが、自社の売上がどのような構造で分配されているのか?くらいは説明しておいておいたほうが良いでしょう。

 

売上、粗利率、人件費、その他販管費、固定費などは簡単なブロック図で説明できるはずです。

 

要するに、会社の収益構造を共有するわけですが、この前提条件が明確だと、なぜ粗利率が一定水準を下回ってはいけないか?が明確になります。

粗利率を崩せば、人件費に影響を及ぼすことが明確になるからです。

また、経費削減の必要性について、スタッフの理解を得るのも、容易になるでしょう。

 

理由が不明確な状況で、経費削減を求めてもスタッフは息苦しいだけです。

しかし、会社の数字の全体像を理解した上であれば、納得感は得られやすいでしょう。

 

現場にしかない情報にも注意が必要

前章では、経営者が知っている情報をスタッフが知らないために起きている情報の非対称についてお話しました。

 

それによって起きているのは、会社の経営目標に対する経営者とスタッフの温度差です。

 

ところが、情報の非対称の問題は上記のケースだけではありません。

 

情報の非対称という問題は、スタッフが多くの情報を持ち、経営者が多くを知らないというケースでも起こりえます。

 

この場合には、経営者が現場の現状を知らずに、様々な指示を下したり、施策を行うことで現場から経営者に対する不信感を生み出します。

とある大手企業では、本社のマーケティング本部が出した指示や施策を現場が殆ど行わないという事が頻発していました。

 

理由は明白で、現場を踏まえずに本部が考えた施策に対する現場の信頼度が著しく下がっていたからです。

 

こうした問題は、大企業に限らず、小さな会社でもしばしば起こります。

「社長はああ言うけど、現実の現場は違う」「社長は現場をわかっていない」「お客さんの声を理解しない」というような不満が蔓延している会社では、経営者とスタッフの間に著しい情報の非対称があるケースがほとんどです。

 

情報の非対称を埋めるには?

こういうケースで大切なのは、1対1でとにかく忌憚なく話合うということです。

 

社長や上司はこの時、必ず聞き手に回ってください。

 

経験上、こうしたミーティングの場面で一方的に喋りまくっている社長が多いです。

 

「いや、聞いてるよ」

「しっかり話を聞いた」

「聴くことに徹することができた」

 

と大抵の社長はおっしゃいます。

9割型、現実は真逆になっています。

 

嘘だと思うのなら、一度、録音してみることをお薦めします。

録音して、ミーティングの中で、社長または上司とスタッフがそれぞれ何分ずつ話ているかをチェックすると良いでしょう。

 

おそらく、社長または上司が「8割聞いた」つもりでも、せいぜい「5割」、殆どの場合は3割程度の時間しか聴くことが出来ていません。

 

その結果、スタッフは「社長に言っても無駄」「社長は話を聞いてくれない」という感想を持つことになります。

スタッフが、話すことに徒労感を覚えるようでは、情報の非対称を埋めることはほぼ不可能です。

 

経営者や上司にとって、「聴く」ことに徹するのは想像以上に難しいことなのかもしれません。

しかし、自分が喋ったところでスタッフがもっている情報を得ることは出来ませんし、情報が得られなければ情報の非対称は埋められません。

 

スタッフが話すスピードが遅かったり、事実と違う認識をしていることもあるかもしれませんが、まずは聴くことに徹しましょう。

すぐに反論したり、自説を説明しようとすると、スタッフは話すことができなくなってしまいます。

 

 

情報の共有や訂正については聴き終わってから行う

聴くだけ聞いてから、社長は共有するべき事実と数字を話してください。

 

大切なのは、

事実数字

です。

 

スタッフ側で何らかの誤解や誤認をしているとすれば、事実を知らないか、数字を知らないかが原因になっていることが多いです。ですから、話を聞いた上で、事実と数字に基づいて訂正をする必要が出てくるかもしれません。

 

このような流れでコミュニケーションを取ると、情報の非対称性が解消しやすいです。

 

その結果、スタッフが何を思っているかがわからない。という状況が払拭されます。

また、スタッフから見ても「社長は現場をわかっていない」という不満が解消され、信頼関係の醸成に役立つでしょう。

 

 

まとめ

今回は「情報の非対称性が社内コミュニケーションを妨げる」という話でした。

 

経営者にとって、情報を共有することに勇気がいるケースもあるかもしれません。

しかし、情報の非対称性を解消することは、スタッフを巻き込んで仕事をするために必要なプロセスです。

また、人間は同じ情報を持てば、概ね同じような結論に至ることが多いですから、情報の非対称性が解消されることで、スタッフ側も経営者の判断に納得しやすくなるでしょう。

 

組織の指示系統は、経営者だけがもっている情報に基づいてした判断を下に下ろす方式です。

結果、スタッフからすると経営者の判断がどのような背景のもと行われたのかが見えません。

なぜ、「○○%の粗利率」を確保しなければいけないのか?「経費削減をするメリットは何なのか?」「今期の目標の算出根拠な何か?」「目標を達成することで、自分たちにどんな恩恵があるのか?」などなど、経営者からは見えてもスタッフには見えない情報は多いものです。

 

結果として、スタッフから見れば、結論だけ言われて、それを実行するような仕事の仕方になります。

このようなスタイルのマネジメントでは、自主的に考えて会社に貢献するスタッフは育ちにくいものです。

 

また、上から降りてくる結論=指示・命令の結果が、つねに大成功であれば、スタッフはついきてくれるかもしれません。

しかし、上から降りてきた指示を実行しても上手く行かないことがあるはずです。

スタッフ自身が背景を知らない中で降りてきた指示が失策であった場合、それは必ず上層部への不信感に繋がります。

 

経営者が効果的な指示を出すためには、現場やスタッフのことについて詳しく知っている必要です。これも、情報の非対称を解消ことに他なりません。

 

つまり、企業内の情報の非対称対策は2つの方向から行うことが大切です。一方では、経営者が知っている情報をスタッフに共有すること、もう一方では現場のスタッフが持っている情報を経営者が把握することです。

 

スタッフを巻き込む、スタッフに経営を自分ごとだと考えてもらう、さらには士気を上げ、経営者が正しい判断を行うために、「情報の非対称性を解消する」ことは経営者にとって極めて重要な取り組みではないでしょうか?

株式会社NorthStar

今野富康


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