釣り人 は最高のマーケッターかも知れないという話

2018.04.18 (水)

釣りにはマーケティングの構造が全て含まれている

私は、家族で釣りを楽しむ 釣り人 なんですが、釣りをしていて思うのは「釣りって、ほとんどマーケティングの仕事と同じじゃない?」ということです。

実際、私自身のマーケッターとして仕事をしています。

 

ところで、マーケティングって何?と思う方もいると思うので、定義を考えてみましょう。

実のところ、マーケティングという言葉自体が、定義のはっきりしない言葉です。

例えば、Wikipediaでは、

 

Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.

マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。
(アメリカマーケティング協会の定義)
Wikipediaより引用しました。

 

ということになっています。

正直言って、これだけ読んでも何を言っているのか、よくわかりません。

おそらく、この「よくわからない」という事が事の真相を表しているのだと思います。

だいたいマーケティングの本家本元のアメリカマーケティング協会の定義からして、これだけとっちらかっています。

 

ですから、あるいみ「よくわからない」という感覚は正常だと思うのです。

敷いて解釈するとすれば、要するに、「企業内の組織を運営する人事、総務、経理以外の仕事はだいたいマーケティングに分類できる」ということになるのかもしれません。

今回はそのマーケティングの中の販売プロセス部分を釣りに例えて解説してみたいと思います。

ですので、新人教育のネタにでもしていただければ幸いです。

 

釣れる 釣り人 =売れるマーケッター

そもそも魚釣りが上手な人ってどんな人でしょうか?
実は、ここにも定義があいろいろあります。

 

簡単に言うと、釣りが上手な人には「たまに大物を釣る人」「コンスタントにそれなりの数の魚を釣れる人」「大物をコンスタントに釣る人」がいます。

今回は、「コンスタントにそれなりの数の魚を釣れる人」を「売れるマーケッター」と考えることにしましょう。

 

何故かと言うと、ビジネス的にはたまに大きな成果を出すけど普段振るわないマーケッターよりも、コンスタントに成果を出してくれるマーケッターの方がありがたいからです。

 

理想はコンスタントに成果を出して、たまに大物を釣り上げるマーケッターです。
安定感もあり、大きな成果も期待できる理想的な人材ですよね。

で、どんな人が釣り上手なのか?考えてみました。

以下、釣り上手の人の条件です。

 

釣り人の条件

条件:釣れる場所を知っている

これはものすごく大きなポイントです。はっきり言って、腕より場所のほうが重要な場合が多いです。

もちろん、故・松方弘樹さんのようにカジキマグロを釣り上げるという話なら腕は大いに関係すると思います。

あとは大間の漁師のように巨大マグロを釣り上げるという話であれば、腕は大いに関係します。

 

しかし、普通の魚釣りの場合、魚が釣れないときにもっとも大きな問題になるのは、、、そもそも仕掛けの届く範囲に魚がいなことです。

魚がいない海に魚を釣りに行けば、どんな名人だって腕前を発揮することはできません。

これをマーケティングに置き換えるとこうなります。

見込み客がいないマーケットでマーケティングをしても、成果は出ない。

このポイントを外してしまうと、あらゆるマーケティング的な努力が全て無駄になります。

 

条件:群れを作れる

まず、第一の条件である釣れる釣り場をクリアしたとしましょう。

魚影が濃い(ようするにお魚がいっぱいいる海)釣り場で釣りをしていても、全然釣れない人とコンスタントに釣り続ける人が出てきます。

その違いの1つが「群れを作れる」かどうか?です。

 

いくら魚影の濃い釣り場でも、海は広いので運良く自分の針に付けた餌の前に魚が通りかかってくれる可能性はあまり高くありません。

また、例えば、1時間の間に1〜2匹、自分の餌の前を魚が通り過ぎるよりも、自分の餌の前に魚が群がっている状態のほうが魚が釣りやすいのは想像がつくと思います。

 

魚を集めるために使うのは、撒き餌です。

撒き餌を撒くと匂いつられて魚が集まります。

そして、撒き餌を食べる魚の音につられて、更に魚が集まります。

なぜなら、匂いよりも音のほうが遠くまで伝わるからです。

 

マーケティングでも考え方は同じです。

マーケットに需要(ニーズ、ニード)があったとしても、お客さんが偶然、自分の商品やサービスを見つけてくれる可能性は高くありません。

そこで、撒き餌(広告)を使って、見込み客を集めるわけです。
この方法のいいところは、買う気のあるお客さんに高確率で出会えることです。

条件:適切な仕掛けを使っている

魚釣りでは、狙う魚ごとに仕掛けが違います。
仕掛けと言っても様々ですが、例えば、釣り糸(ハリス)と釣り針だけをとっても狙う魚ごとに変わってきます。

 

メバル狙いであれば、0.6号の糸(ハリス)にメバル用の針。
クロダイ狙いであれば、1号のハリス〜1.5号の糸にチヌ針です。

針の大きさは、狙う魚の大きさにあわせて換えるのが普通です。

なぜ、ハリスの太さや針の大きさを変えるのか?といえば、魚の大きさや食い気のありなしによって適切なものが変わってくるからです。

 

一般的に言って、魚の食い気が立っていて、何にでも食いついてくる環境であれば太めのハリス、大きめな針を使って大物を釣ることも可能です。

逆に、なかなか食いついてこない環境であれば細いハリスに、小さな針に切り替えた途端に魚が食いつくことがよくあります。

 

マーケティングに置き換えると、仕掛けはオファーです。

この場合のオファーは、商品と諸条件、特に価格だと考えると理解しやすいです。

特定のニーズを持ったお客さんが集まっているところに、適切なオファーを提案すると売れます。

ただし、オファーの内容が同じでも、購買力や市場の熱狂度によって、お客さんが買いやすい価格は変わってきますので調整が必要です。

釣りのハリスと針の話と同じく、価格を下げたとたんに急に売れ始めることがあります。

まとめ

今回は、
「釣りで理解するマーケティングの構造」という テーマ でお話しました。

マーケティング というと、具体的な作業がかなり多くて、一から全てを説明するのが難しく感じることがあります。

 

個別のノウハウは山のようにありますし、メディア や手法ごとの戦術やセオリーを並べ始めると収拾がつきません。

しかし、釣りに例えて全体像を俯瞰的に見てみると、 比較的 、 全体像 を把握しやすいのではないか?と思います。

もし、新人の方やはじめてマーケティングを学ぶ方に、説明する機会があれば、釣りに例えて説明するのがオススメです。

今野富康


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