オマケ付き マーケティング
世の中は、ハロウィン商戦真っ盛りですね。どこのお店に言っても、関連商品が売っています。先日、子どもにせがまれて冒頭の写真の商品を買わされました(笑)イベントを顧客の購買動機に、紐付ける方法は マーケティング では常套手段ですよね。顧客心理 から考えれば、購入動機が増えれば増えるほど買いやすくなるものですから、イベントに乗っかるのは マーケティング 的にはとても良い手です。ですから、年中行事のカレンダーを手に入れて、それに則って年間の マーケティング プランを立てておくのはいい方法です。別に、消費者向けの小売の マーケティング でなくても、法人向けのビジネスでも同じ手段は使えます。イベントを絡めたほうが、単に値引きや特典をつけるよりも、顧客の目線からみて納得性が高いのでおすすめです。
オマケつき マーケティング
さて、今日の本題は「オマケ」です。冒頭の写真の商品はチョコレートですが、中にオマケが入っているんです。よくあるたまご型のチョコの中にちょっとした人形が入っているあれです。もちろん、こういう商品は普通のチョコレートよりも単価が高いですが、それよりも大事なのは「オマケ」が マーケティング 的にどんな効果を持つか?という問題です。
つまり、この商品を買う子どもにとって、チョコレートが主なのか?それとも「オマケ」が主なのか?ということです。どちらだと思いますか?もちろん、言うまでもなく、答えは「オマケ」です。つまり、実際に子どもが購入しているのはチョコレートではなく、オマケだということです。
これは、 マーケティング の用語でいうところのオファーのつくり方の問題です。私は、しばしば、マーケティング が失敗するケースの代表例として「商品がダメな場合」ということを言いますが、この「オマケ」というアイデアはダメな商品を蘇生させられる力があります。
どーしようもない、なんの特徴もない商品でも「オマケ」がついた瞬間に輝き出す。なんてことは、ざらにあります。私が知っている事例でもっとも強烈だった事例は次のようなものです。
アメリカの某州にある(確か、フロリダ)にある、古ぼけたコンドミニアム(分譲マンション)の事例です。このコンドミニアムは、太陽の眩しいアメリカ南部にあるにもかかわらず、本来目玉になるべき屋上のプールが老朽化して使えません。ですから、非常に不人気で煮ても焼いても売れない残念な物件だったわけです。
困りましたね?。屋上に、使えないプール。売れなそうな匂いがプンプンします。しかし、このコンドミニアムは満室になったそうです。何故か?
このマンションは、プールをあるものに生まれ変わらせました。なんと、プールを巨大な猫のトイレにしたのです(笑)。このマンションはペットOKかつ、猫のトイレ付き物件として人気を博しました。残念ながら、物件を特定したり、現地確認をしたわけでないので、この話の真偽はわかりません。しかし、学ぶべき教訓は含まれていると思うのです。
自社の商品が、時代遅れになってしまったり、競合に優れた商品が出てきてしまったり、そもそも品質がイマイチだったりした場合(もちろん使えないレベルのものではダメですが)でも、 マーケティング ・アイデアで逆転する方法はあるということです。
オマケの応用例
冒頭のチョコレートに限らず、「オマケ」の付いている商品はたくさんありますよね。先ほど引き合いに出したコンドミニアムの事例では、プールを「猫のトイレ」というオマケに切り替えて成功したわけですね。「◯◯付き」という言い方が重要だったりします。
これは、厳密な マーケティング というよりは心理学の問題ですが、競合も含めて当たり前に商品に付属しているものをあえて「◯◯付き」と表現するのは結構お得感が出ます。以前、自動車修理工場のクライアントがいたのですが、その工場では車検で普段から言われずともしている作業にすべて値段をつけて見積もりをつくり、その上で、見積書の一番下でその金額をマイナスしてもらうようにしました。要するに、価格は以前のままです。しかし、この作業をしただけで、その修理工場では車検の時に必ずされていた、顧客からの値引きの要求がゼロになりました。これは、かなりのインパクトがありました。
また、先ほど、同じマンションの事例ではこんなものがありました。「ジム無料」、分譲マンションの建物内にあるスポーツジムの永久無料会員権付きというやつですね。マンションの価格に比べれば、ジムを無料にすることなど取るに足らない価格ですし、おそらくジムを無料で使えたとしても殆どの人はそれほど頻繁に使わないので、「オマケ」にしても十分採算が取れるでしょう。ジム側にしても、建物への入居費用をある程度安くしてもらえれば喜んで協力してくれるでしょうしなかなか良い「オマケ」です。実際、それを理由に入居した人もいましたから、効果はあると思います。
あとは自動車でも、超高品質スピーカーを付けられる。という「オマケ」が受けて、バカ売れした車種が実在します。しかも、この場合は「付けられる」とうだけで、有料ですし、お客様的には何がメリットかわかりにくいですよね。この場合は、自動車を買おうとしているお客様に「オマケ」によって選択理由を創りだしたことが勝因です。すでに、自動車を買うことが決まっていて、しかも、ある程度の価格帯や性能などではどの会社の車も横並びの場合は、「価格」と「性能」以外の部分で差別化すれば勝つ可能性が高いです。
この場合は「スピーカーが付けられる」というのがそのポイントになったわけです。 購買心理のプロセスで言うと、商品を認知し、比較検討し、購買するというプロセスを経るわけですが、この場合は「オマケ」が比較検討のときに有効に機能したというわけです。 マーケティング では、売る側がどうしかけるか?というところに注意が行きがちですが、購買心理のプロセスを踏まえて施策を考えることもまた重要なポイントです。
いずれにせよ、単価の安い商品から高い商品まで、「オマケ」の応用範囲はめちゃめちゃ広いのです。
オマケの落とし穴
オマケのアイデアについてここまで、述べてきたわけですが、実は落とし穴があります。それは、ターゲット顧客のニーズと一致しないオマケでは、 マーケティング 的には意味のある効果は実質的に殆ど無いということです。例えば、自動車を買うともれなくリコーダーがついてきます。とか、マンションを買うとポテトチップスが10箱ついてきます。とか、今、ジムに入会すると軍手がついてきます。みたいなオマケだとダメだということです。
オマケといえど、お客様のニーズと商品との一貫性なり、親和性なりを意識する必要が有るということです。
まとめ
今回は、オマケという マーケティング アイデアについて長々お話してきました。ポイントは3つです。1つは「オマケ」が商品の価値を引き上げるというお話、2つ目はオマケはめちゃめちゃ応用範囲が広いということ、3つ目はオマケは顧客のニーズや商品との一貫性を持たせる必要があるということでした。
ぜひとも、あなたのビジネスにも応用してみてください。
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