都市部の客は チラシに反応 しない?

2014.04.09 (水)

都市部の客はチラシに反応しない?

2012/5/23の日経MJに
「しまむら『アイベル』、第2ブランド絞って深く
―高回転で売り切る、仕入れ数限定」

という記事にこんなことが書かれていました。

以下引用
—————————————————–
「しまむら」が出店を急ぐ都市部の客層はチラシへの反応が薄い。
今後、雑誌と店頭の訴求を組み合わせたアイベルのノウハウを
活用することもありそうだ。
—————————————————–

どう見ますか?

多分、「結果として」間違いではないでしょう。
というか、おそらくしまむらのご担当さんからの聞き取りを
ベースに書いているのだと思います。

ただし、こういう記述は注意して読む必要があります。
なぜなら「過度の一般化」というバイアスがかかっている
ことが多いからです。
※バイアスというのは、偏りという意味

たとえば、上記で言うと
都市部の客層はチラシへの反応が薄い

これはどこまで一般化していい話でしょうか?

前提条件として、アイベルの客層は10代~20代の女性です。

この場合、

本当に10代~20代のがチラシに反応が薄いか?
ここで指しているチラシとは何か?
高い反応率と低い反応率はどの程度の値を指しているのか?

を考えてみる必要があります。

ね?

こうやって考えてみると、本当にそうかな?と思えて
来ませんか?

反証1.
たとえば、ピザや寿司の宅配ビジネスはほとんど例外なく
チラシのポスティングを顧客獲得や販売促進の手段に
しています。

もし、チラシに反応が薄いのであれば、都市部でこうした
ビジネスは成り立たないはずです。
しかし、実態はどうでしょうか?むしろ都市部のほうが
宅配チェーンを多く見かけます。

ピザの宅配ってどんな人が頼むことが多いでしょうか?

反証2.
ここで言っているチラシが新聞の折り込みチラシであるなら、
反応が薄い理由をチラシ自体に求めても的外れです。
その場合、ターゲットのうち新聞の定期購読をどれくらいの
人がしているか?によって反響率が大きく左右されます。
※ポスティングなら、その限りではありません。

反証3.
上記の宅配フードチェーンでは0.4%の反響率で十分
やっていけています。
私がB2BのマーケティングでDMを使う場合はだいたい平均
1%くらいの反響率です。
数字だけ見れば、私の方が高確率で儲かりそうですが、、、
そもそもの配布しているチラシ・DMの枚数がフードチェーン
は圧倒的に多いですし、一部あたりの単価もスケール
メリットで低く抑えられているでしょう。

それらを加味すると、チラシ・DM1通当たりの収益性は
宅配フードチェーンのほうが高いかもしれません。

というように、考えを掘り下げてみると都市部の
10代~20代の客層がチラシに反応が薄いと言い切れるのか?
は少々疑問です。

今回は、シャレで記事をいじってみましたが何か情報を
得た時に「へえ、そうなんだ~」という風に流すのでは
なくキチンと脳を経由させてアウトプットしてみましょう。

マーケティングは「テスト!テスト!テスト!」です。

信じていいのは事実だけ、意見は鵜呑みにしないこと。

いろんなことが見えてきますよ♪

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