餅を買うのに、前日から行列? 購買心理 を掴む マーケティング

2015.06.03 (水)

普通に考えれば、人気商品を沢山生産すれば、それだけ売れそうな気がしますよね。少なくとも、売れない商品をたくさん作ってデットストックにしたり、廃棄するよりははるかに良さそうです。しかし、ことはそう単純じゃないんですねえ。

 

というよりは、その商品が「なぜ、人気なのか?」にフォーカスして考える必要があのです。例えば、伊勢の銘菓に赤福餅という商品があります。これは押しも押されぬ人気商品ですし、ドンドン作って、ドンドン売って良い商品です。しかし、同じ赤福が作る商品でも「朔日餅(ついたちもち)」という商品はこれは作らない方がよさそうです。

経営者なら、普通はこう考えますよね。
「人気商品なら、もっとたくさん作って、たくさん売ったらコストが下がって儲かる!」と。それは、確かに正しい論理です。

しかし、この「朔日餅」はその商品を買うために発売日の前日の午前中からお客様が行列を作るような「超」人気商品です。この商品は元旦を覗く毎月1日に数量限定で販売されます。

マーケティング , 売上アップ , 購買心理 , 経営 ,

証拠写真:5/31のAMの時点で行列ができている。すごい人気でしょ?

商品の内容はというと、例えば、3月・よもぎ餅、4月・桜餅、5月・柏餅と言った具合に、毎月季節のお菓子が月替りで季節の風情を醸した千代紙で包装されて販売されます。

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証拠写真:6月のお菓子はこちら

あなたは今、こう思いましたよね?

「えっ、それだけ?」

お答えしましょう。

それだけです。

 

ただし、先ほども書きましたが手に入れるのは簡単ではありません。予約販売はしません。並んだ人だけが買えます。前日の午後5時に列整理券の引換券を配ります。列整理券を配るのは1日の午前3:30です(この時間に引き換えないと引換券は無効)。整理券の順番に並んで買います。それ以外の購入方法もありますが、どれを見ても一定数量で販売終了(何個とは書いていない)と、書いてあります。とにかく手に入りにくいのです。

この商品の魅力ってなんでしょうか?
商品そのものですか?
リピーターも多いようなので、商品力もあるでしょうね。

 

 

しかし、商品力がいくらあったとしても、いつでも手に入る商品ならば、わざわざ前日から行列して整理券をゲットしてなおかつ、次の日の午前3:30に並びにきてまで買うでしょうか?

この商品の価値を大幅に引き上げているのは、つまるところ「限定性」です。

毎月1日にだけ、数量限定で、毎月違うお菓子が、3:30に並んだ人にだけ手に入る。

から、「欲しい」と思われるのです。

 

 

おそらく、全く同じ商品を1年中売ったら売れなくなるでしょうね。

 

 

マーケティングでは、通常、お客様にどうやってリーチするか?を一所懸命考えます。逆に、お客様からリーチにしにくい方が商品の価値が上がることは多々あります。どうも私たちは「手に入りにくいもの」=「希少性が高い」=「価値がある」という論理でものを考えているようですね。購買心理って不思議です。

だから、そのロジックに当てはめて商品の供給を絞ることでお客様に価値を示すことが出来るわけです。

もっとも、本当は手に入りやすいものにだって価値あるものは沢山あるし、それらを失ってから価値に気づくなんてことは人生には付き物なのですがね(笑)

というわけで、「限定性」を上手く使って購買心理をついたマーケティング事例でした。。

加えて、珍しいものを食べたことがある。というのは話題になりますから、注目を浴びたい人もわざわざ買うことがあるでしょうね。

 

私ももちろん食べてみたいと思っていますが、前日から並ぶのは絶対に嫌です。


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