どうすれば、顧客心理 が掴めるのか?
目次
顧客心理 はどこにあるのか?
顧客心理 を「目視」で確認したことのある人は、おそらく史上どこにもいない。
そんな風に考えてみると、
「顧客目線で考えろ」
というのは、よく聞くフレーズの割には掴み所がない。
しかし、マーケティングの世界では、ほとんど信仰に近いくらい誰もがこの言葉を信じている。
もちろん、とても大切な考え方には違いない。
でも、これって案外難しくないだろうか?さっきも、言ったが、第一掴みどころがない。
現実問題、あきらかに売り手の目線で作られた プロモーション や キャンペーン 、商品 や サービス が巷には溢れかえっていたりする。
もちろん、中には、僕が「ターゲットではない」から響かないだけで、ターゲットの人にはめちゃめちゃ響くようなアイデアもないけではないが、、、大抵は、本当に売れていない(笑)
もっとも、考えてみれば、僕がターゲットからはずれたお客の前に頻繁に露出するようでは 広告 やマーケティングが効率的にできているとは言えないよね。
なぜなら、マーケティングは経営資源の最適配分という役割があるから。
ターゲットではない人に広告を表示したり、 マーケティングコスト を 投入 するのは明らかに経営資源を無駄遣いしていることになる。
だから、本来なら、僕が「興味ねえ」とか、「イケてない」とか、感じる商品やサービスのマーケティングを頻繁に目にするようではいけないわけだ。
これは、煎じ詰めていくと「顧客目線を欠いている」という原因に行くつくわけだけど、冒頭に書いた通り、顧客目線なるものを自分の中に取り込むのは案外簡単ではない。
顧客心理を掴むにはどうすれば良いのか?もちろんリサーチする方法はいくつもある。
ネット掲示板
たとえば、インターネットの掲示板、これは鉄板だけど、Yahoo!知恵袋とか、教えてgooとか、OKwaveとか、掲示板に投稿されている「質問」にはそれなりの価値がある。
ちなみに、「答え」はどうでもいい(笑)
なぜなら、まあまあの確率であってるとは限らないし、そこに書かれている解決策や回答を自分たちの商品にするわけではないから。
さらに言えば、僕らの同業者が自分たちに有利な「回答」を書き込んでいる可能性もある。
しかも、ちゃんとした知識がある人が回答しているかどうかも怪しかったりする。
世の中には、何にでも意見を言いたい人がいるし、こういう質問掲示板はそういう人たちにとってはパラダイスだ。
だから、質問掲示板の「答え」は マーケター的 にはどうでもいい。
問題は、こういう質問掲示板にどんな「疑問」「悩み」「不満」が書かれているか?だ。
顧客目線 で訴求を考えるのであれば、ネット上でどんな「疑問」「悩み」「不満」が渦巻いているのか?を知っておいて損はない。
こうした掲示板を見ていると、こちらが予想しなかったような見込み客の悩みを見つけることがよくある。
例えば、「アパレル店向けのサービスを販売したい」というクライアントの要望でリサーチをしていてこんなことがあった。
そのサービスは簡単に言えば「売上を上げる」ためのツールだったのだが、実際にアパレル店の店長が抱えている問題の多くは「人の問題」だった。
人の問題を抱えている人に、突然、「売上」を上げる方法やツールの話をしても反応は鈍いだろう。
潜在的には、売上の問題はあるはずだが、この場合売り込み方には少々工夫が必要になることは、想像に難くない。
Amazonの売れ筋ランキング
これも鉄板だけど、自分がしているビジネスに関連するジャンルでどんな本が売れているか?は、チェックしたほうがいい。
実際問題、見込み顧客が現実にお金を払って勝ったものが何かが見える化されている貴重なデータだからだ。
レビューもなるべくだったら全て目を通したほうが良い。
もちろん、知りたいのは顧客がどう感じているか? 顧客心理として、どんなことが気になるのか?という点だ。
だから、チェックしたいのはどんな意見が多いか?という情報、あとは具体的にどんな言葉が使われているか?というところだ。
理想的には、レビューを全部見たいくらいだけど、時間がなければ★5つと★1つだけを集中的にチェックすると良い。
どちらの場合も、顧客心理が大きく動いた瞬間なので参考になるはずだ。
どんな意見が多いか?からわかること。
ここはシンプルに、見込み客がどんな関心を持っているか?どんな期待を持って本を買ったか?なんかがわかる。
★5つは肯定的評価なわけだから、評価されている部分を踏まえた商品企画をすれば良いし、★1つは否定的な評価なわけだから、嫌われる要素は排除した方がいい。
どんな言葉を使っているか?からわかること。
簡単に言うと、セールストークやコピーライティングのときに使うべき言葉がわかる。
レビューを書いているような人たちが想定顧客なら、彼らが 理解しやすい言葉を使って売り込んだほうが良い。
同じ商品やメリットを売り込むのでも言葉が違えば全然印象は変る。
もっと言えば、見込み客から見て売る側のぼくらは「仲間」「同類」だと思われたほうが良い。
もちろん、ポジショニング的に売り手「先生」・買い手「生徒」みたいな関係をいずれ作るのは構わない。
先生のポジションを築く利点を説明
「先生」のポジションを築く利点を説明しておきたい。
人間はメッセージを受け取る時に、何を言っているか?以上に、「誰が」が言っているか?に注意を咲く傾向にある。
先生のポジションを見込み客に対して作る利点はこの点に尽きる。
つまり、どんなに素晴らしいアイデアや提案、考え方であっても、聞き手が「ふさわしくない」と感じる人から言われれば受け入れてもらえないということだ。
「あんたに、言われたくない!」というわけだ。
ところが、見込み客や顧客に「先生」として認識してもらえると、「この人の話なら、聞こう」と思ってもらうことが出来るのだ。
先生のポジションを築くことができれば、見込み客や顧客はあなたを彼らよりも上の立場の人間として認識してくれるのだ。
しかも、制度上の上下ではなく人間的な「敬意」の対象としてだ。
顧客よりも上の立場に見られれば、顧客に下に見られたり、対等に見られたりするよりも圧倒的にあなたの話は聞いてもらいやすくなる。
しかし、先生ポジションを築くにしても、入り口段階では親近感を持ってもらう必要がある。
わけの分からない難しい言葉や馴染みのない言葉を振りかざす面倒くさそうな先生から学ぶより、自分に分かる飾り気のない(と、見込み客が感じる)言葉で率直に語りかけてくれる親近感を持てる先生から学びたいというのが人間心理だ。
お客になってみる。
早い話が自分で自分の商品を買ってみる。
これから作る商品なら、ライバルの商品を買ってみる。そんな話です。
これには、幾つか目的がある。
例えば、価格感を知ること、商品の構成要素やクォリティを知ること、買いやすさ・手続きのスムーズさなどを知ること、購入後の商品提供までの流れを知ることが挙げらる。
なぜなら、良かれと思って売り始めても、お客さん絡みて買いにくかったり納得がいかなかったりすることがあるからだ。
顧客心理 を知るためには、自分がお客さんになってみるのが一番わかり易いので、それをそのままするわけだ。
価格感を知ること
例えば、同じ100万円の商品でも、100万円のお茶なんて商品はなんだか高すぎて怪しいし、23区内の戸建ての1軒屋が100万円だったら今度は安すぎて怪しいわけ(笑)。
何でも、お客さんが適正と感じる価格帯があるのでそこを知った上で価格を考える必要がある。
もっとも、買わなくても物によってはネットなりで調べる事もできるので、その場合は調べまくろう。
商品によっては、殆どの競合が同じ価格帯で戦っている場合がある。
数年前は、例えばセミナーで言えば5,000円くらいが競合が最も多かったので、あえて10,000円以上の価格帯で勝負したケースがあった。
逆に、いつも10,000円〜100,000万円のセミナーを売っている会社が、急に3,000円とか、5,000円で企画を打つとバカスカ売れることもある。
いずれにしても、大切なのはお客さんが持っている「価格の感覚」を知ることだ。
顧客心理 的に納得感のある価格を設定できるか?が勝負の分かれ目だ。
商品の構成やクォリティを知る
これはなんぞやと言うと、例えば、Bluetoothのイヤホンを売ることにしたとする。
ワイヤレスのイヤホン。
価格帯はだいたい2,000円?20,000円くらいで、5,000円前後で評価の高い商品が集中していることを発見したとしよう。
問題は、2,000円、5,000円、20,000円のイヤホンで何がどのように違うのか?その違いをお客さんがどう感じているか?なわけ。
なぜ、5,000円の商品が評価されているのか?の 要素 を比べて見る必要があるよね。
もしかすると、20,000円のイヤホンはすごく良いけど、お客さんから見てtoo muchな感じがしているのかもしれないし、ただ単にBluetoothのイヤホンを買う層のお客さんにとって「価格が高すぎる」だけかもしれない。
あるいは、5,000円のスペックですらtoo much だと感じていて、もっと機能は下がってもいいから安く買いたい人の層が案外大きいかもしれない。
商品のレビューに書かれた内容も、文字列だけで把握するより、実物を目で見て、手で触れて、使って見たほうが意味がよくわかる。情報量がまったく違いうから。
これは別にイヤホンに限った話ではない。
セミナーを売るなら、セミナーに出まくって見たほうが良いし。
教材を売るなら、教材を買いまくったほうが良い。
コーチングやコンサルを売るなら、自分も受けてみたほうがいい。
その上で得た、商品構成のセオリーとか質とかを踏まえて自分の商品にしていくわけ。
買いやすさ・手続きのスムーズさなどを知ること
これも当たり前っちゃ当たり前なんだけれど、どんな売り方をするにしても、自分もお客さんと同じ方法で買ってみる必要はどうしてもある。
理由は単純で、使いにくかったら直す必要があるからだ。
あとは、手続き自体はスムーズにできるとしても、お客さんから見て「気が散る」要素は排除する必要がある。
例えば、決済に向けて作業をすすめる中で、余計なリンクがあるのは良くない。
何故かと言うと、そのリンクをクリックして他のサイトに飛んだら、まあ、かなりの確率で決済の場にお客さんは戻ってこないからだ。
あと、購入のハードルを超えてもらうためには、初回購入のフォームをわかりやすくすることも重要だ。
もちろん、売り手としては極力たくさんの顧客情報が欲しい。
顧客の詳しい個人情報はあればあるほど良い。
しかし、だ。
それは、お客さんからはどう見えるだろうか?
「すげー、めんどくさいショップだな」
と、ならないか?
だとすれば、まずはお客さんが書いやすいように仕様を見直す必要がある。
もっとも、ここは考え方次第だ。
より熱心で、熱烈にあなたの商品を求めている人だけを対象にしたいなら、むしろ購入時の手続きを面倒なままにするという方法がある。
購入後の商品提供までの流れを知ること
購入後にどんなフォローアップをすると、お客さんは満足してくれるのか?
それを知るためにも、やはりお客さんになってみるというのは有効な手段だ。
他の商品を買ってみて、その後、どんなメールが来るのか?どんなDMが送られてくるのか?電話はかけてくるのか?などなどを観察してみよう。
ちなみに、最近、買ったBluetoothのイヤホンはフォローアップのメールが3通来た。
ユーザーがはじめてBluetoothのイヤホンを買った想定で、困りそうなことを事前に情報提供してくれるわけ。
例えば、スマホやPCとペアリングする時はどうすれば良いのか?とか、上手くペアリングできない時は何が原因でどんな作業をすれば解決できるのか?
あるいは、イヤホンを装着する時の快適性を上げるために耳に挿入するパットがいくつもあることを教えてくれたりする。
そんなメールが商品購入後すぐに届いた。
これって親切じゃないか?
一番、商品に興味がある(そりゃそうだ、商品が届いたばっかりなんだから)タイミングで、困り事を先回りして解決してくれるのだから。
顧客心理に適っているだけでなく、実に会社として良い取り組みだと思う。
ちなみに、このイヤホンを売っているのはあまり有名じゃないメーカーだ。
というか、一般には多分まったく無名。少なくとも、ぼくはまったく知らなかった。
しかし、AmazonのBluetoothイヤホンでNo.1の売れ筋らしい。顧客評価も確か★4つ以上あった。
まとめ
今回は「顧客目線で考える」ための「顧客心理」の話だった。
自分で書いてみて思ったけど、結構、アナログだし地道な作業だ。
ここでは割愛しているが、アンケートというのももちろん使える。
ただし、アンケートは何を知りたいか?とか、どんな目的で行うか?を明確に設定できていないと、全然無意味だ。
むしろ、アンケート結果が間違った判断の原因になったりもする。
だから、これはこれでよく考えて行なったほうが良い。
今回はネットでわかるようなことを中心に書いたけれど、お客さんに直接会ってインタビューできるのなら、それも良い。
もっとも、率直なコメントをしてもらえるか?は、分からないが。
というのは、以前、ある会社の顧客の グループインタビュー をしたことがあるんだけど、 グループ にすると参加者は無意識に「空気を読む」んだよね。
これって、良いコメントをもらいたいなら良いんだけど、商品をより良くしたり、サービスを改善したりするときには有効な意見とか視点が得られなかったりする。
また、グループインタビューの場合は、同性同士 を集めた場合と男女混合でインタビューした場合では出て来る意見の質や内容が変わるので注意が必要だ。
以前、シニア向けの商品でインタビューでグループインタビューをしたことがある。
シニアでも異性がいる場といない場では、同じ商品について出て来る意見や見解が違っていた。
ちなみに、老人介護施設内の入居者同士でも恋愛感情が生まれたり、異性を意識したりするのは珍しくないそうだ。
生物学的に繁殖期を過ぎている老人でさえ異性を意識するわけだ。
おそらく、生物学的に考えても、年代が若いほど異性を意識する傾向は強まるんじゃないかと思う。
いずれにしても、言えることは「頭の中だけで想像する」だけでは足りないということ。
どんなに、デジタルなツールを使ってするビジネスが栄えても、ディスプレイの向こうにいるのは人間。だから、 ビジネスをする人間には顧客心理について考え続けることが求められる。
たぶん、AIが発達すると統計的な傾向は読めるようになる。
例えば、アメリカで女子高生に「妊婦向け」のDMが届いて、それに父親が怒ってその会社に怒鳴り込んだらしい。
でも、実はこの女子高生は本当に妊娠していたことが後に発覚して、企業の方が家族よりも早く女子高生の妊娠を見抜いたことが話題になった。
これなんかは、まさにAIが顧客の購入履歴から統計的に判断した例だ。
もちろん、これはすごいことだ。快挙と言っていい。
なぜなら、この会社妊婦には独特の購買パターンを見抜いてピンポイントで広告を打つことができるということだから。
経営資源 の 最適配分 という マーケティング の役割からすれば、これ以上効率的なことはないだおる。
しかし、AIではお父さんが怒鳴り込んでくることは予見できないだろうね。
何故かと言うと、結局、 AI も入力された 情報 を処理しているわけで、データの中にこの女子高生のお父さんという情報はないはずだから。
話がそれたが、結局、どこまで行っても ビジネス は人間相手だし、 人間相手 である以上、 相手には心がある。
だから、顧客心理が最重要事項であり続けると思う。
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