新規事業立ち上げ日記 6 _具現化力が試される
新規事業立ち上げ日記 6です。
2020年8月31日-9月14日
northstar 今野 富康
だいぶ更新が空きましたが、もちろんその間動きまくってます。
実機で急速凍結テスト
9月2日、9月3日の2日にかけて、兵庫県と新潟で急速凍結機でテストをしてもらいました。
片方は業界大手のメーカーさんで、大きな社屋、テスト用のスペースがあるという環境でした。
急速凍結機もイタレリツクセリのデラックスな仕様!
う〜ん、資金がたくさんあるなら、ぜひ欲しい!だが、肝心の資金がそれほどない(^_^;)
結果として、後ろ髪ひかれながら社屋をあとにしたのでした。
もう1つのメーカーさんは、ベンチャーのメーカーさんだったんですが、びっくりするくらいの性能で小型の凍結機を見せてもらいました。
しかも、メーカーさんの事務所で!
これは実はすごいことで、-40℃以上の急速凍結機がオフィスの机におけるくらい軽くて小さいということです。
どちらのメーカーの凍結機も、短時間でそれなり量の食品をカチンコチンに冷凍できる優れものです。
急速凍結を使うことで、商品の保存性はかなり高まるので賞味期限は伸びるし、保存料は使わずに済むし、食品の味も落ちないし、どこのメーカーの物を使うにしろうちの事業には必須の機械です。
なかなか大変だったのは移動です。
初日は、岐阜→名古屋→新神戸→兵庫県某所、兵庫県某所→新神戸→東京で終点。
二日目は、東京→長岡→柏崎、柏崎→上越越後→金沢→岐阜というルートでかえってきました。
新幹線、特急はもちろん地歩のローカル線まで色々乗りました。
鉄道好きにはたまらない電車旅だったんですが、おっさんにはだいぶしんどい(^_^;)
へとへとになりましたw
ただ、景色は良かったなあ。
関東平野の北のほうも良かったし、日本海側も良かったです。
普段は太平洋側を東海道新幹線で通ることが多いけれど、内陸や日本海側もとても眺めが良いですね。
物件内覧
5件ほど、内覧させていただいて色々と勉強になりました。
見せていただいたのが2件とも繁盛していた飲食店なので、工夫をされているしきれいだしでテンションが上りましたねえ。
ただ、問題は私がこれからしようとしている事業が基本的に通販なので、基本的に内装は拘る必要がないということ。
効率的に調理とパッキング、冷凍、梱包、出荷などの作業がスムーズにできる動線設計をイチからするのもありかもしれないと思い始めました。
きちんとお客さんを迎えるために設えられたお店を、接客しない商売に使うのはだいぶもったいないんです。
できれば、全く同じ業態のお店が場所を引き継いだほうがいい。
なぜなら、その業態に最適化された店構えが最初からできていますから。
いくつも物件を見ているうちに、コミーダ食堂の業態(惣菜の冷凍通販)をやる上で、必須のもの、必須ではないものなどいろいろわかってきた気がします。
解凍テスト
兵庫と柏崎で冷凍テストした商品を、解凍して実食するテストをしました。
結果としては、どちらの冷凍サンプルも美味しくいただけました。
美味しく食べられて保存期間が長い、しかも保存料、化学調味料不使用ですからねえ、かなりいいんじゃないかと自画自賛しております。
化学調味料否定派ではないんですが、使わずに美味しくできる場合には使わずに済ませたいという感じですね。
それよりは、できるだけ丁寧にいい素材を使って商品を作りたいなと思っています。
といっても、コストもあるので高級食材は使えませんけどね(^_^;)
ちなみに、保存料、添加物などなどは、その多くが必要性があって使われているものです。
なので、個人的には完全に否定するのも無理があるかなあと思っています。
たとえば、食べ物を常温で保存できるようにしたり、賞味期限を伸ばしたり、食感を良くするためにそれらは使われているわけです。
保存料、添加物と上手に付き合っていくのが大切なんじゃないかなあと思います。
たまたま、コミーダ食堂(うちの屋号)の場合は最初から急速冷凍&通販を想定していたので保存料、添加物の類は使わなくても良いんですけどね。
食材の仕入れ
テストに使う食材の買い出しを行いました。
テスト用に試作するメニューだけで30人前あるので、もはや完全に仕入れです。
肉や野菜もさることながら、カレーを主力メニューにしようとしているためにスパイスの量が半端ないです。
業務用スーパーでも取り扱いがないスパイスがあるので、今後は仕入れのためにお店を調べて探索します。
当座、インド食材店、アジア食材店に行ってきます。
他にも農家さんとの直取引を模索したり、安く仕入れができるサイトを探したり、やることはいっぱいあります。
具体的な商品を扱うので仕入れは生命線です。
結局所、どんなに集客が上手く行っても利益が出る商品を売れないと食べていけないわけですからね。
あの手この手で、良い仕入先を探す必要があります。
ひとまず、試作に必要なスパイス類と調味料はAmazonで仕入れていますが、大量に消費するようになるとコストが上がってしまうはずなので卸会社の開拓が必須です。
唯一、肉屋さんについては卸をやっている店が近所にあるので安心材料です。
スーパーで買うよりもかなり安く仕入れられるし、珍しい素材もあるので当面はこちらでお世話になるつもりです。
試作品づくり
失敗もありました。今、課題だなあと感じているは油です。
「本場で使っているのはマスタードシードオイルだよ」という話を聞いて、早速、仕入れて使ってみたんですがこれが意外に難しい(^_^;)
パーリといって、油でスパイスを炒めて香りを出す作業をしたときは問題なかったんですが、単純に玉ねぎやにんにく、生姜なんかをいためてカレーベースを作ってみたら、、、後味にいるんです「からし」が(^_^;)
どうやら、使い所を間違うと「からし」が顔を出すらしい。
もともとはオリーブオイルを使っていたんですが、オリーブオイルは油が浮きやすいきがしていて他のオイルを実験中です。
油といっても、菜種油、米油、グレープシードオイル、などなどいろいろな種類があるので良さそうなものを見繕って試してみようと思います。
なるべく、ph調整剤、乳化剤などが入っていないものを使いたいところです。
他にも美味しさと個性を出すために、いろいろと試行錯誤をしています。
スパイスの組み合わせを研究してみたり、スパイスの扱い方を変えてみたり。
競合リサーチ
今回は、コミーダ食堂でもやろうとしているカレーの冷凍通販をしている会社さんの商品を買って試してみました。
以前から、リスペクトしているお店さんの冷凍通販商品です。
結論から言うと、非の打ち所がないくらい美味しかった!こういう先行他社がいるととても勇気が出ますよね。
「ああ、ここまでのことは必ずできるんだな」と思えるし、どうやってコストを浮かせているのか?もある程度わかったりします。
なるほど、この素材は国産にしなくてもこの味になるのね。的なこともわかる。
仕入れを安く抑えることは重要事項ですからね。同じ味が出せるのであれば、安い素材を使ったほうが良い。
もちろん、食の安全という観点からNGなものは使えませんけれど。
今日の教訓:具現化力
私のキャリアを振り返ってみると、「売る」仕事ばかりしてきました。
すでにある商品を売る。求職者の方を採用企業に売り込む。セミナーや教材を売る。
対面のセールスで売り、メールで売り、ランディングページで売り、ダイレクトメールで売り、とにかく売るのが仕事だったんですよね。
しかし、今、やっていることは頭の中にある商品を含めた商売の構想を具現化する作業です。
具現化するために、資金をどううまく使うか?必要な設備は?仕入れは?販売ルートは?みたいなことをイチから作っていっているわけです。
当たり前のことですが、イチから作るのは楽しいし、一方で大変です。
いま世の中にある商売はそうやって誰かがイチから作って来たものなのだと考えると、ものすごいことだなと今更ながら感じております。
そんなわけで、
新規事業立ち上げ日記 6でした。
・新規事業立ち上げ日記 2 : 兵は拙速を尊ぶ
・新規事業立ち上げ日記 3: 知ったかぶりをしない
・新規事業立ち上げ日記 4 : 理想がなければ問題もない
・新規事業立ち上げ日記 5 : 転ばぬ先の杖
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