営業マンの価値は売上高ではない? : 経営戦略

2015.07.23 (木)
経営戦略 的に考えると営業マンは数字が人格と言えるのか?

経営戦略 的に考える営業の意味

経営戦略として考える場合、営業マン の 価値 は 売上高 ではない。

と、言うとしたら、あなたは驚くだろうか?

しかし、実際 問題 、売上高だけで営業マンの評価は出来ない。

以前、こんなことがあった。

 

営業マンAの売上は、年間 で大体2億円だ。営業マンBの売上は年間で6,000万円。

営業マンAとBは同じ 会社 の営業だ。Aは25歳、Bは40歳。

クライアントは同じ家電メーカーCだ。

 

さて、ここであなたに質問だ。

 

営業マンAと営業マンBどちらが、優秀な営業マンだろうか?
※両方共男性だったので「営業マン」だ!(笑)

 

どうだろうか?

素直に、数値 の 実績 を考えれば、営業マンAのほうが実力がありそうではないだろうか?

しかし、実情は違う。

優秀なのはBだった。

しかも、圧倒的に優秀だった。

では、なぜ、営業マンAに大きく水を開けられる結果になったのだろうか?

 

答えは、扱う商品とマーケットだ。

 

営業の成果は戦うマーケットに大きく左右される

AもBも、売っていたのは販促物だ)家電量販店で、家電の陳列に使われているPOPが主力商品だった。

つまり、同じ家電メーカーの内部に同じ商品を売り込んでいた。

しかし、そもそも出入りしている同じ企業でも、部署によって販売促進にかける予算が全く違ったのだ。

 

Aが担当していたのは、テレビ部門。

しかも、地デジバブルが弾ける前の上り調子のテレビ部門である。

 

いっちゃなんだが、競合 企業 との駆け引きがあるにしても絶対量として仕事は腐るほどあった。

当時は今と違って家電量販店も勢いがあった。

だから、メーカーもどんどん量販の売り場で競争に勝つためにPOPにお金を使っていた。

 

一方、Bはイヤフォン、ヘッドフォンなどオーディオアクセサリ部門を担当していた。

 

部門の売上規模からして、全く違う。

おそらくテレビの10分の以下だったろう。

場合によったら20分の1、あるいは30分の1くらいの 予算 規模 しかない。

その部門で、6000万円の売上を作ってきたわけだ。

 

例えば、こう考えてみると理解しやすい。

顧客の 販促物 に費やす予算をマーケットに見立てると、例えば営業マンは100億円分の2億=シェア率2%。営業マンBは3億円分の6000万円=シェア率20%だ。

 

では、翻って 最初 の 質問 だ。

 

営業マンAと営業マンBどちらが、優秀な営業マンだろうか?

 

優秀な営業も配置を間違えば、小さな売上しか立てられない

私は断然Bだと思う。

というか、むしろ、Bのような実力者を主力部門のメンバーに加えていなかったこと自体が、 経営戦略上の重大なミスである。

しかし、売上しか見ていない 経営者 は内容を見ずに、評価していた。

 

経営戦略 でいうなら、営業マンの実力は「戦術」である。

一方、どの市場を選び、どの商品を投入して、社内 のどの営業マンに 担当 させるかは「戦略」である。

つまり、経営 の 視点 から見れば、営業マンが考えるべきは「どう売るか?」の問題である。

しかし、経営側 の 問題 は営業マンにどこで何を売ってもらうか?ということを考えるのが、仕事といえる。

 

そして、戦略上の失点を、戦術上の卓越で補うことはできない

 

つまり、どこで、何を売るか?を間違えているなら、どのように売っても失敗するのである。

 

先ほどの営業マンAとBがいた会社は、その後、業績 が 悪化 して事業規模を大幅に縮小した。

しかし、もしAとBの 担当先が逆だったら?

あるいはBに他の部門を担当させていたら?と考えると興味深い。

おそらく、もっと状況は良くなっていたのではないか?と私は思う。

 

 


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