営業マンの価値は売上高ではない? : 経営戦略
経営戦略 的に考える営業の意味
経営戦略として考える場合、営業マン の 価値 は 売上高 ではない。
と、言うとしたら、あなたは驚くだろうか?
しかし、実際 問題 、売上高だけで営業マンの評価は出来ない。
以前、こんなことがあった。
営業マンAの売上は、年間 で大体2億円だ。営業マンBの売上は年間で6,000万円。
営業マンAとBは同じ 会社 の営業だ。Aは25歳、Bは40歳。
クライアントは同じ家電メーカーCだ。
さて、ここであなたに質問だ。
営業マンAと営業マンBどちらが、優秀な営業マンだろうか?
※両方共男性だったので「営業マン」だ!(笑)
どうだろうか?
素直に、数値 の 実績 を考えれば、営業マンAのほうが実力がありそうではないだろうか?
しかし、実情は違う。
優秀なのはBだった。
しかも、圧倒的に優秀だった。
では、なぜ、営業マンAに大きく水を開けられる結果になったのだろうか?
答えは、扱う商品とマーケットだ。
営業の成果は戦うマーケットに大きく左右される
AもBも、売っていたのは販促物だ)家電量販店で、家電の陳列に使われているPOPが主力商品だった。
つまり、同じ家電メーカーの内部に同じ商品を売り込んでいた。
しかし、そもそも出入りしている同じ企業でも、部署によって販売促進にかける予算が全く違ったのだ。
Aが担当していたのは、テレビ部門。
しかも、地デジバブルが弾ける前の上り調子のテレビ部門である。
いっちゃなんだが、競合 企業 との駆け引きがあるにしても絶対量として仕事は腐るほどあった。
当時は今と違って家電量販店も勢いがあった。
だから、メーカーもどんどん量販の売り場で競争に勝つためにPOPにお金を使っていた。
一方、Bはイヤフォン、ヘッドフォンなどオーディオアクセサリ部門を担当していた。
部門の売上規模からして、全く違う。
おそらくテレビの10分の以下だったろう。
場合によったら20分の1、あるいは30分の1くらいの 予算 規模 しかない。
その部門で、6000万円の売上を作ってきたわけだ。
例えば、こう考えてみると理解しやすい。
顧客の 販促物 に費やす予算をマーケットに見立てると、例えば営業マンは100億円分の2億=シェア率2%。営業マンBは3億円分の6000万円=シェア率20%だ。
では、翻って 最初 の 質問 だ。
営業マンAと営業マンBどちらが、優秀な営業マンだろうか?
優秀な営業も配置を間違えば、小さな売上しか立てられない
私は断然Bだと思う。
というか、むしろ、Bのような実力者を主力部門のメンバーに加えていなかったこと自体が、 経営戦略上の重大なミスである。
しかし、売上しか見ていない 経営者 は内容を見ずに、評価していた。
経営戦略 でいうなら、営業マンの実力は「戦術」である。
一方、どの市場を選び、どの商品を投入して、社内 のどの営業マンに 担当 させるかは「戦略」である。
つまり、経営 の 視点 から見れば、営業マンが考えるべきは「どう売るか?」の問題である。
しかし、経営側 の 問題 は営業マンにどこで何を売ってもらうか?ということを考えるのが、仕事といえる。
つまり、どこで、何を売るか?を間違えているなら、どのように売っても失敗するのである。
先ほどの営業マンAとBがいた会社は、その後、業績 が 悪化 して事業規模を大幅に縮小した。
しかし、もしAとBの 担当先が逆だったら?
あるいはBに他の部門を担当させていたら?と考えると興味深い。
おそらく、もっと状況は良くなっていたのではないか?と私は思う。
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