戦略と戦術: 経営戦略
経営戦略 を考えなければいけない理由
経営戦略 と言われると、とっつきにくい感じがしますよね。
しかし、経営戦略を考えないと、結果として、売上が伸びない。
業績があがらない。利益が残らない。
というような現象が会社に置きているときに対策が打ちにくくなります。
対策を打つためには、まず、そうした好ましからざる現象が、戦略的な失敗によるものなのか?
それとも戦術的な失敗によるものなのか?
を見極める必要があります。
経営戦略というのは、すごく単純化すれば「どこで何をするか?」を決定することです。
言い換えれば、 ビジネスモデル とか 事業構造 というような内容ともいえます。
そして、戦術というのは「どうやるか?」と言う問題ですから、 マーケティング 施策とか 営業 活動がそれにあたるでしょう。
業績における戦術的施策の限界
例えば、売上 が伸びない。
業績 があがらない。
利益が残らない。
と言う現象が、戦術的なものであれば、現場レベルの改善で業績は向上します。
例えば、営業力 を上げるとか、 コピーライティング を磨くとか、 広告 を変えるとか、経費を削減するとか、仕事の手順を変えるとかそういったことで業績を改善することができるわけです。
しかし、失敗が 戦略的 なものであったなら、上記 のような点を 改善 したところで 業績 への影響は極めて限定的か、ほとんど皆無ということになり、現場には徒労感が漂います。
ここで言う戦略とは「どこで何をするか?」です。
言い換えれば、どのマーケットで、どの商品を、いくらで、誰が、売るのか?という選択といえます。
この選択を間違えていたなら、どんなに 営業マン が頑張っても、 経費 を削減しても、仕事の手順を変えても業績は上がりません。
むしろ、そうした 延命措置 を行って 本質的 な 課題解決 を先延ばしにすることで、会社の寿命を縮める恐れすらあります。
経営者の中には、「俺が売れば売れる」と豪語する 凄腕 営業マンがたくさんいます。
それはそれで素晴らしいことですし、敬服 に値します。
しかし、一方で、その商品が自分しか売れないものとしたら、それはすでに経営戦略上で重大なミスを犯しているとも言えます。
なぜなら、「自分しか売れない商品」を会社組織で売ろう考えているわけですから、既に「どの商品を」と「誰が」の選択でミスを犯していることになります。
あるいは会社組織として売るには、マーケットサイズが十分でない可能性もあるでしょう。
戦略上の失敗を戦術的な卓越で挽回することはできない
個人レベルの売れる・売れないは戦術の話です。
例えば、宮本武蔵は戦術(極小単位ですが)レベルでは最強かもしれません。
しかし、関が原の合戦で武蔵が従軍した西軍はどんな最後を迎えたでしょうか?ご存知の通り、我が国の歴史上最大の敗戦を喫しました。
個人レベルの卓越が戦略レベルの失敗をひっくり返すことはありません。
先の大戦で、 坂井三郎 級の エースパイロット があと10人いてもやはり我が国は敗戦していたでしょう。
これも、最初から戦うべきではないのに戦端を開いた事自体に問題があります。
また、卓越した個人の営業力が頼みの組織は、組織としては未熟です。
一騎当千の個人がいなくても、勝ち続けられる組織を作れないとすれば、すでに、そこには戦略 そのものが無きに等しいといえるかもしれません。
戦略上の失策は、戦術 レベル の 卓越 では補うことは出来ません。
「何を、誰が、どこで」を間違えば「どのように」売ろうと結局はうまく行きません。
経営上の 責任者 は「何を、誰が、どこで」の用件を正しく 設定 する 義務 があります。
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